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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会部門決定 後篇
しおりを挟む偽名での登録は今回も同じこと。
一部の逸脱者もまた、同様に名前を出さないで参加している……名前を知られると困る場合もあるからな。
「ちょっと対策を考えてみるか。まず、開発技部門だな……『バトルラーニング』一本でどうにかなるか? あと、術式の方も『愚者の石』だけで」
《試合ごとに用途を変えていけば、おそらく問題は無いかと。旦那様を包む結界も、オリジナルの術式を用いておりますので機能しますし、手数で言えばおそらく旦那様以上の方は居ないかと》
「『騎士王』は超えそうだが……権能無しでも、素の才能が有り余ってそうだし。というか、権能とか職業とかはどうなるんだろう」
《『プログレス』を前提としておりますし、もともと大会の目的の一つは権能による世界の誇示でもあります。それに対抗しうる職業の力もまた、問題なく使用できるかと》
ジーヂーの『クリエイトアーツ』など、それそのものが開発に特化した『プログレス』もまた存在している。
一度開発してしまえば、まあ無くても使える場合もあるにはあるのだが、それと同じくらい開発した技を『プログレス』経由で無いと使えない場合も存在するのだ。
理屈としては、職業固有の能力と似たようなものである。
ただ武器を持っていても、魔法スキルを育てていても使えない。
特定の職業という条件を満たすことで、始めて解放される技。
武技や魔技の補正を逸脱した技を組み込むために、『プログレス』が使われていた。
先の例で挙げた『クリエイトアーツ』も、同じようなもの。
ジーヂーが編み出し、組み込んだ我流の武技に限り誰でも今だけは使えるのだ。
「……あの人、絶対今回も出るよな」
《おそらくは。旦那様との再戦を望んでいるでしょうし、現在はショウ様のご指導もしているご様子。仮に参加せずとも、旦那様との対話を望むかもしれません》
「まあ、お世話になっているみたいだし、こちらとしてもそれはいいんだが……あの人たしか、武闘世界だよな? アレから刺客とか来ているし、もしかして……」
武闘世界からの刺客、『極逸:飛武』。
他にも監獄でそうした連中を見ているし、武闘世界自体は熱心に俺を殺そうとしているのは間違いない。
そんな中、ジーヂーという優れた休人に声が掛からないのも無理がある。
……今度ショウに、その辺のことを聞いてきてもらおうかな?
「……いや、それはいいか。自分で直接聞けばいいだけだし」
《ですが、危険では?》
「ショウがお世話になっているわけだし、向こうも最初からアプローチが取れるならできていた。それをしなかったってことは……少なくとも、敵対の意志は無いんだろう」
だったらいいな、ぐらいだけど。
そういったことも含めて、今回のイベントで調べていけばいいさ。
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