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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会部門決め 中篇

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 イベント世界 闘技大陸

 拓真から、新たなイベントが闘技大会であることを告げられた。
 毎回恒例の無制限に加え、今回はアンケートとアイデア募集で決める二枠らしい。

「──VIP待遇も、たまには悪くない」

 話を聞いてから数日後、俺の姿は投票を行う場所──闘技島にあった。
 ただし、休人たちが挙って集っている受付ではなく、別の場所に。

 そこは闘技大会で優秀な成績を出した者、あるいは特定の[称号]を手にした選ばれし者のみが泊まることのできるホテル。

 俺もまた、過去の戦績や『天/匠』を冠する複数の[称号]を保有することで、それを満たしていた。

「個室でその申請ができるっていう、何ともまあプライバシーとプライベートに配慮された仕様だよな。このホテル、本当に不思議」

《現実の施設を、可能な限りこちらに点在する世界群から技術を模したうえで再現しているようですね。そのうえで、解析ができないよう運営謹製のアイテムとして処理をされているため……申し訳ございません》

「まあ、何でもかんでもいきなり全部は無理だろうし、仕方ないさ。というか、目指す指標として置かれているわけでもないんだし、自分たちじゃ手の届かない、文字通り別世界の物、ぐらいの認識でいいだろう」

 イベント世界はその一部が、運営により設計や創造が行われている。
 実際にこちらの世界に住んでいる人々によると、突然それが現れたらしい。

 事前にアナウンスが神の宣託として行われるので、人的被害も無いとのこと。
 それ自体が星の理、みたいなノリでいろいろと誤魔化されているらしいな。

 まあ、そんなこんなでイベント世界にはこうして干渉不可能なアイテムが多い。
 解析で複製をすることもできないが、使う分には支障が出ないので気にしなかった。

「見た目と中身が違うんだっけ?」

《はい。中身を物理的に解析して再現することができないよう、あくまで現実の品と同じ見た目・性能をしただけのナニカという形になっています》

「……なんか凄く怖いな」

《電話と説明しつつ、電波も中継基地も関係無く相手と繋がるようなものです》

 うん、余計に訳が分からなくなる。
 これに関しては運営側独自の力が、それを可能にする理を生み出しているようだ。

 他の課金アイテム同様、一方的に干渉して現実に作用する謎エネルギー。
 ……ただゲームをしていくだけなら、特段気にしなくてもいい要素なんだろうな。

「うん、今回は気にしないでおく。優先するのは闘技大会の内容だ」

《……畏まりました》

 不服そうだが、我慢してくれ。
 でもそうだな、マザーAIとかなら何かしら知っているんだろうな。

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