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DIY、コネ就職を求める
天の梯子 前篇
しおりを挟む天の梯子
船旅の目的地は『天の梯子』と呼ばれる島だった。
この船ぐらいじゃないと、狙って辿り着くのは難しいレベルの危険地帯らしい。
「──ここが、そうなのか。天界に繋がる場所にしては、全然人が居ないな」
《今は時期ではありませんので。その際に訪れれば、観光目的の者や挑戦者などで賑わうようですよ》
「転移無効だから、一度来たところで再度来る際に転移魔法で……ってこともできないんだよな。本当にここでいいのかって、何回か確認されちゃったよ」
俺以外に降りる者も居らず、船はすでに出航している。
なので帰るための手段も存在しない……向こうの想定だと、死に戻りで戻るのかな。
《──リスポーン地点の書き換えが完了しました。死に戻りによる移動の場合、干渉されることなく可能です》
「よし、じゃあ行くとしますか」
元よりあちらには登録していない。
俺、そして休人共通の絶対的転移能力である死に戻り──俺はそれを利用し、一度行った場所ならどこにでも転移可能だ。
某有名RPGで例えるなら、どこに居ても好きな教会に全滅時の復活地点を変えられるようなもの……なお、その場での復活も問題ないものとする。
ちなみに他の休人の場合、同じことはいちおうできるがまったく同じにはならない。
使用制限のある簡易拠点、そして都度発生するデスペナなど……問題が多いのだ。
「──魔物は……凄く強いな。いやまあ、俺の非力さ的には全部等しく強敵だけど。見た目が何というか、特殊能力持ってますって感じだろう」
《天界との繋がりが生じる際、発生するエネルギーを浴びることで変異・変質しているとの記述がございました。それゆえに、時期になるとそれらの魔物たちを狩ろうとする者も現れるようです》
「ふーん……なら、今は誰にもバレずに狩り放題ってことになるのか? それなら休人がレベリングに一人か二人ぐらい、来てもいいはずだが?」
《強くなろうとする者と、お金を稼ごうとする者が同じではございませんので。過去にはついでに海の魔物も倒して大幅レベルアップと目論んだ者も居ましたが……この現状でお察しください》
うん、つまり全滅だったわけね。
羽を生やした兎やら魔小鬼、何やら神聖っぽい空気を撒き散らす蝶だったり、見たことの無い魔物が多く生息するこの地。
そのすべてが、天界といういづれは向かいたい場所の影響によって成り立っていた。
繋がりができるという時期が来たら、俺もまたここに来て道を探すことになるだろう。
──まっ、それはそれとして、せっかくだしここで今回得た職業を試してみるか!
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