虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、コネ就職を求める

第一回職業解放後篇 その18

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 待ち時間の間、『SEBAS』と交渉材料として出した情報について話し合っていた。
 まあ、やっぱり『SEBAS』に任せておくのが一番楽だと思ったぐらいだ。

「──悪いな、思った以上にできることが増えて興奮しちまった」

「いえ……それほどまでに?」

「今までできていたことが、補助輪付きだったと思えるぐらいだ。お陰で待たせているのに、すぐできることを試しちまった」

「もう何かされたので?」

「とりあえずは進路だな。これまでに予定されていた分はそのままだ、それからは新しい場所に行ける。その旨を、副船長やらにも伝えていたんだ」

 職業として副船長というものは存在しないので、あくまで肩書きとしての副船長か。
 ふとそんなことを思いながら、今なお興奮冷めやらぬ【大船長】と話していく。

「……この船にはまだまだ秘密がある。いつかは星々をも股に掛ける大冒険ができそうだしな。お前には、感謝しないとな」

「いえいえ、そのようなことをされることは何も。私はただ、知っていた情報を提供しただけですよ。ですがそうですね、お力添えができたのであれば幸いです」

「ああ、充分だ。一から百まで全部やってもらうつもりは無い。俺たちの力で、最後はやり遂げてみせるさ」

 なお、『SEBAS』が聞いてきた情報によると、実際宇宙に出航することはできなくはないらしい……ただし、別でオプションのパーツが必要になるらしいが。

 しかも設計図は置いてあるが未製作、今の時代の技術でそれを製造したうえで、船に組み込むためには最上位職か『逸脱者』レベルの連中の協力が必要になると。

 ……うん、控えめに言ってもクソゲーだ。
 俺という創造神様のチート生産能力を持つ者でも、神代魔道具レベルの品には手を出すことは容易にできない現状だというのに。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 大変上機嫌な【大船長】の計らいで、一つ部屋を用意してもらえた。
 望む限り滞在可能で、セーブポイントとしても機能するので拠点化もできるようだ。

「まあ、長居はしませんが……休人用のただベッドが置かれているだけの部屋というのもあるらしいですね」

《[ログイン]と[ログアウト]、また[死に戻り]の場所として機能できれば良いという休人用の部屋ですね》

「食事も贅沢も不要、迷宮攻略だけがしたい方用の部屋ですよね。うん、船旅しつつ迷宮攻略というのも面白いかもしれません」

 うちの世界に迷宮が無ければ、あるいは一度くらいやってみたかったかもしれない。
 だが頑張れば、再現可能だし……上位互換とかもできるか?

 もちろん、神代魔道具としての機能は真似できないだろうけど。
 休人相手の商売なら、もっと別の要素を押し出せば割とイケるかもな。

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