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DIY、コネ就職を求める
第一回職業解放後篇 その02
しおりを挟む渡泳氣船 船上
神代魔道具であり、かつ迷宮でもある。
そんな船に乗り込むべく、小舟に乗り海を渡って移動してきた俺。
現在、その姿は船の上に。
座標を発信していた休人とのやり取りもあり、乗船を果たしていた(船は[インベントリ]に収納済み)。
「というか、すげぇなお前さん。あんな小舟で来るヤツそう居ねぇよ」
「ははっ、お褒めに与れたようで。あれは私が作った特注品でして、それなりにお金を掛けているものなんですよ」
軽い言葉を交わしつつ、俺たちは在る場所へ向かっている。
誰でも招き入れる船とはいえ、客人としてもてなすかはまた別の話なんだよな。
「へぇ、そんな物もあるのか……なあ、同じようなのを作れたりしないか?」
「ご予算と素材次第、あとは伝手次第ですかね? たとえば……ここの船長さんとか」
「…………」
「もちろん、現状ではお目通りがすぐに叶うとも思ってはおりません。ですので、それが可能となる方法をお教えいただけないでしょうか?」
これから案内されるのは、客室ではなく魔物が発生する迷宮区画。
生き残れるなら目的の場所まで運んでくれるが、死んだらそこまでという鬼畜仕様だ。
「ここのルール、把握しているはずだが?」
「ええ、ですがその前提が間違っていないかの確認を」
「……まあいいや。うちの船長に会いたいなら、迷宮を最下層から登ってくればいい。指定されたアイテムの収集、魔物の討伐、要はこっちの利益になることをやれば、会ってくれるだろうよ」
「なるほど、理解しました」
存在の特殊性ゆえか、迷宮核は上層に存在している。
そのうえで、侵入者などは下層へ押し込んで運用費を稼ぐために使っているのだ。
移動の駄賃を払う分には、潜ってすぐの辺りで軽く狩りをすればいい。
だが、俺のように何かしらの要望があるならば……より深く潜る必要が生まれる。
「それじゃあ、最下層に飛ばすぞ。何か言いたいことはあるか?」
「そうですね……なら──」
「じゃあ、行ってこい」
言い残す内容を聞く前に、船員でもある休人が壁に触れた。
すると俺の足元が消え去り、スライダーのように下へ運ばれていく。
「……まあ、様式美だよな。『SEBAS』の方で迷宮の把握は可能か?」
《問題ありません。ただし、干渉による改変は露呈する可能性が高いです》
「うん、そこまでする必要は無いな。とりあえず地図、後は魔物の反応……ついでに宝箱の在り処なんかも教えてほしいな」
《畏まりました》
これまでの迷宮踏破のように、いろいろと貰っていくのは無理だろう。
今回はあくまでも職業の解放、それを目的として動くべきだな。
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