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DIY、コネ就職を求める
第一回職業解放前篇 その11
しおりを挟む共に機械仕掛けの兵装を纏い戦闘。
光の剣を[アライバー]は振るい、希少金属で作られた槍を【神風兵】は突き出す。
その結果、『SEBAS』の自動操縦が神懸った動きを見せ、【神風兵】の兵装を切り裂いた──だがそれでも、決してこの戦いは終わらない。
「──“死機供存”、話に聞いてはここまでのモノとは……」
その能力を一言で表すなら、死ぬまで壊れず壊れるまで死なない。
相互補完再生/修復、兵装と操縦者を同時に討たなければ彼女らは止まらないのだ。
もちろん、不死身になれるような万能な能力ではない。
治る、ではなく直る──最低限、動かせる状態にしてくれるだけ。
それでも“決死必敵”を指定しておけば、それを果たすまではほぼ動ける。
死んでも機械が動けば死亡扱いにならず、延々と目標遂行のために攻撃を行う。
「『SEBAS』、使うぞ」
《畏まりました──『プログレス』、【救星者】、[称号]の最適設定を検索…………完了。組み換えを実行します》
職業は操縦に特化したもの、[称号]もまたそれに準じたものへ。
そして『プログレス』は──アンデッドに対する擬似権能が充実したものへ。
俺が乗る[アライバー]は、四肢や炉の部分に宝石が設置されている。
それは俺がインストールを行う際に使用しているもので、五つそれが可能となるのだ。
加え、俺自身が“神持祈禱”とインストールを行なえば合計は七つ。
……正直、俺個人で扱うには数が多過ぎて逆に戸惑うレベルなんだよな。
「ですが、私でなければ話は別です」
「ッ──!」
五つの宝石が光り輝き、それぞれに異なる願いの力が注がれる。
俺の分は隠しておきたいと伝えられたのでそのまま、だが五つは使わされるとのこと。
解析、解析、解析、隠蔽、攻撃といった割合だな……うん、六割我欲が出ている。
回り回って俺のためになるので止めはしないが、人によっては思うところがあるかも。
「“神k──」
「おっと、それはさせません」
「……」
極秘奥義、極級職の中でも一部の職業でのみ獲得できる能力──ただし、基本的にほぼすべてが何かしらの形で死ぬ。
死んでも確実にリセットできる休人ならまだしも、蘇生に確率が発生する原人たちではほぼほぼデメリットそのもの。
そして一番の問題、【神風兵】はこれを使う以前に蘇生はほぼ不可能、加えて極秘奥義まで使うと決して蘇生できなくなるのだ。
──自爆、一言で纏めればそれに尽きる。
ただしそうなるまで、兵装の方が超強化されるのでそちらを防ぎたい。
創作物なら何だかんだ阻止できないのだろうが、『SEBAS』が居るからな。
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