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DIY、コネ就職を求める
第一回職業解放前篇 その05
しおりを挟む地獄のような光景、巨大な針に縫い留められる亡霊たちが見れる場所に【大死導者】が居るという情報を得た。
冥界の支配者である『冥王』ですら、正確な場所を把握できていない現状。
職業を解放してもらうため、俺もまた亡者たちと同じように針の山を登っていく。
「うん、楽ちん楽ちん」
『…………』
亡者たちの愕然とした表情を堪能しつつ、針の山を登っていく。
なお、足は地面に付けていないしもっと言うと体も動かしていない模様。
文明の利器、毎度お馴染みドローンが宙を飛び俺を載せて動いている。
亡者たちと違い、外部からいろいろと持ち込めるからこそできることだ。
「さて、【大死導者】はいったいどこに居るのかね~。確認だが、『プログレス』反応とかは無いのか? 冥界に持ち込んだし、もしかしたら……」
《そう思い確認したのですが、反応はすべて亡者からのみです》
「亡者に自分の反応を組み込んでいるのか、あるいはそもそも付けていないのか。別に強制じゃないからいいけど、珍しいよな」
擬似的とはいえ、限りなく権能に近い力は多くの者を魅了した。
常人だけではない、英霊や亡者であってもそれを渇望し自らに取り込んだ。
例外はそれでも居る、すでに権能を持っている者。
あるいは──
「権能を得る算段が有るヤツ、とかな」
《では、旦那様は【大死導者】が権能を得るべく『プログレス』を用いていないと?》
「可能性の一つだけどな。案外、ここで研究してたら時間が飛んでた、みたいな理由かもしれないし」
俺が冥界を訪れだす前から、【大死導者】の行方は眩んでいたようだし。
こちらに『プログレス』を持ち込んだことも、案外知らないのかもしれないな。
◆ □ ◆ □ ◆
針山の中を探し回ったのだが、一周しても【大死導者】は見つからなかった。
これはもうあれだろう、あることを考えた俺はその旨を『SEBAS』に確認する。
「秘密基地、絶対あるよな?」
《探索は行っておりますが、それらしきモノは見つかっておりません》
「特定の条件を満たすまで、不活性状態で待機する……なんてアンデッド、極級職の能力と無尽蔵なレベルが有ればできるよな?」
《おそらくは可能でしょう》
過去を読み解き、判明した能力の一つ。
あらゆる【死霊術師】系統の職に通じ、満遍なく多くの分野によるアプローチからアンデッドを作ることができる【大死導者】。
レベルや魔力を捧げる方法や、降霊術や死体改造などなど……本当に多種多様だ。
仮とはいえ、死んでここに来ているであろう【大死導者】、方法は限られているはず。
──なりふり構っていられない、縛りに触れないギリギリで探してみよう。
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