虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、コネ就職を求める

職業プログレス 後篇

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 もう一つの職業の器を得た『プログレス:ジョブレスジョブ』について聞いた。
 理論上、どんな職業でも模倣できる仕様のようだが……発現者は無職限定らしい。

 まだまだ発展途上、『プログレス』が成長したら……という可能性を信じて。
 俺は俺で、別の方法を探し続けていくしかない。

「よく考えたら、『オンリーゼネラル』の方もダメだったな。カンストさせて職業スキルの常駐化とかをしていたけど、それってあくまで【救星者】の中でだけだし……」

 そもそも、【救星者】はレベル表記が存在しない特殊な職業。
 だが職業経験値だけは獲得し、それを利用して行っているのが職業スキルの常駐化。

 職業をカンストさせるだけの経験値を稼いで、常駐化を果たす。
 目的を見出し成し遂げているからこそ、達成感からふと勘違いしていた。

「職業のカンスト、就職自体【救星者】が枠の占領をしているからまったくできてないんだよな。あくまで、“職業系統樹”の中ですべてが完結しているし」

 こと職業システムに限定して、ほとんどオフライン状態になっている。
 まあ、超・極級職の人数制限など、共通している個所もあるのだが。

 ともあれ、追加で職業にも就けない状態なのでカンストは夢のまた夢。
 存在している二つの職業『プログレス』を使うのは、諦めておこう。

「試せないのは少し残念だが、【救星者】の方が断然優れているからそれはいいや。でも二つの『プログレス』みたいなことができる職業って、何かあったっけ?」

《一度ご説明した【贋作者】系統の職業などが、やはり適しているでしょうか。上級職である【贋造者】でも、職業能力の劣化コピーが可能です》

「技量依存なのは俺も助かるんだが……たしか、最上位職になっても劣化することは変わらないんだよな。『プログレス』の方は対応していないし」

 職業システムへ『プログレス』は対応したが、その逆は完全では無いのだ。
 心から願ってようやく実現できているのだから、借り物な俺には無理なのだろう。

《それ以外となりますと……【魔王】が擬似的に可能でしょうか? 自らの配下に、既知の職業を与えることができるようです》

「……俺、人族の敵に回ろうかな?」

《あくまで擬似的なモノで、こちらも条件の達成がある程度は必要となります。職業能力は限定的な形で、レベルを上げることはできません》

「うん、やっぱり中立でいよう!」

 なお、大前提として職業に就いていないことが必須とのことなので、結局そちらも意味は無かったようで……どうせ何か就けても、生産関係になるのだろうな。

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