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DIY、コネ就職を求める
現状報告 その13
しおりを挟む瑠璃の話が終わった。
元神獣だった邪神は救われ、争っていた国は平和に──そして瑠璃に謎の招待状が届いたところで、映像は終わる。
過去形だったので、今なおその物語は進んでいるのだろう。
俺たちがその全貌を知るのは……しばらく先になりそうだな。
「まあなんだ……みんなそれぞれ、何だかんだやっているんだな」
「そう、だね」
「……うん」
「ええ、みんなが何をやっているのかきちんと知れてよかったわ」
俺と翔、舞は少々含みのある言い方をしてしまう……俺のやってきたこと、そして翔や舞がやってきたこと、どれも世間一般からすれば大冒険だろう(俺のは少し違うが)。
だが、やはり上には上が居ると思い知らされる……瑠璃の活躍は控えめに言っても格が違っていた。
「やっぱり、瑠璃には敵わないな」
「……いや、父さんもだからね?」
「私と翔はまあ、ギリギリプレイヤーなら経験しそうなことだけど……二人のは普通、そうはならないでしょって感じ」
「「?」」
俺と瑠璃は顔を見合わせるが、おそらく俺と同じことを考えている。
つまり──向こうはともかく、自分は普通なはずなんだが……といったところか。
「でもいいんだ、みんなのお陰で俺の目的は達成できたからな」
「「「……あー」」」
そういえば、そんな話もあったっけ? という反応なのは仕方がない。
三人の濃い経験の話は、正直俺のそんな薄い目的を吹き飛ばす衝撃があったからな。
「やりたいことが見つからない……そんなバカなことを言っている暇は無いな。世界は広いし何でもありだ、何がどうなったら自分の奥さんが邪神を浄化して配下にするなんて想像が付くんだ」
「私も、自分の旦那様が世紀の大犯罪者になるなんて思いもしなかったわ…………うぅ、いつかあの人は、何かやらかすと思っていました」
「そのニュースとかでたまに学友とかが言いそうなヤツは止めてください……ごほんっ、今はいろいろとできるからな。それを活かした、いろんなことをやってみようと思う」
「具体的には?」
「……ふっふっふ、それはあとのお楽しみだな。ただ、これみたいに話すことはできなくなりそうなんだよな──という情報をヒントに頑張って考えてみるがいい!」
そう、瑠璃が信仰云々から特別な出来事に辿り着いたように、俺もまた他の者には真似できない出来事をいくつか経験している。
最初からそういう方面に手を出せば、また異なる結果になるだろう……いやまあ、飽きたら飽きたでまた考えるだけだ──組み合わせる、なんてのもアリだな。
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