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DIY、コネ就職を求める
現状報告 その05
しおりを挟む舞は新たな冒険の舞台である、育命世界に辿り着いていたようだ。
資格を持つ者以外でも来ることができるよう、奮闘しているとのこと。
「じゃあ、次は俺の番だ!」
「翔か……翔の話は、いろいろと楽しみだったんだよな」
「ええ、待ちに待ったこのときね」
「…………」
翔はEHOにおいて、自分以外全員が女性のハーレムパーティーのリーダーである。
なので俺も瑠璃も、冒険の内容だけでなく彼女たちとの交流も聞きたいのだ。
ちなみにだが、俺たちは翔のパーティーの何人かと交流がある……EHOでの問題が、現実にまで影響を及ぼした結果だな。
基本的には翔の主人公補正、そして瑠璃の超幸運……あとほんの少し俺の交渉もあり、問題に関してはすべて解決──うん、別の問題が浮かび上がった気がするけどな。
閑話休題
基本的に、休人は無数の世界を自由に選んで自分に合った世界を楽しむのがEHOだ。
舞であれば、まさに育命世界こそが理想の活動場所だと思われる。
ただ、パーティーを組んでいるとそれぞれの好みなどで困ることがあるわけで。
冒険世界はその点、各分野がバランスよくできるので人気なのだ。
「──【魔王】は強かった。だから、俺たちはもっと強くなるために分かれて修行することになったんだ…………って、どうしてそんな顔をするの?」
「いや、だって……なあ?」
「ええ……」
「……私は知ってたからノーコメント」
舞は翔をよく知る姉として、相談を受けているらしい。
この状況も知っていたのだろう……しかし修行パートとは、つくづく主人公感あるな。
「【魔王】って、あの【魔王】さん?」
「そうそう、意外とノリはいいんだぞ。なんやかんや、リモート飲み会っぽいことをしたこともあるし」
「…………凄い気になるけど、話を戻してもいい?」
「「どうぞどうぞ」」
お酒じゃないが、話し合いのついでに魔族でも使えるポーションについて話し合っていたからな、実際に飲んでみて効果があるかどうかを試してもらっていただけだ。
「俺は武闘世界に、他のみんなはそれぞれに適性に合った世界に行くことになった。近況はみんなとも確認しあっているけど、上手くいっているみたい」
「翔と同じ場所に行った子はいないのか? たしか、拳士の子が居たよな?」
「うん、誘ってみたんだけど……暗躍街に教えてくれる人が居るみたいで」
暗躍街、拳士……で実際には暗殺者の少女が教えてくれる人。
うん、心当たりがめちゃくちゃあるな──俺、その子に殺されないといいけど。
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