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DIY、コネ就職を求める
現状報告 その04
しおりを挟む箱庭での出来事に、ツッコミを受けた。
後で管理者に会うことを舞と約束し……次の家族がEHOの近況を話す。
「「…………。じゃんけんポンッ!」」
瑠璃はトリを務めることが確定しているので、二番目と三番目は子供たちになる。
だがその順番は、二人にとってかなり重要なもののようで。
まるで勝負師のような真剣な眼差しで、共に拳を突き出す。
翔が出しているのはグー、舞が出しているのは──パーだった。
「それじゃあ、私から話すわね」
「くっ、チョキを出していれば……」
「舞から話すのね……わくわくするわぁ」
「ふっふっふ、果たして機械の箱庭での出来事に敵うかな?」
翔は落ち込んでいるようだが、間違いなく凄い出来事を経験しているだろう。
……何だかんだ、そういった出来事が無いとは誰も言ってないんだよな。
◆ □ ◆ □ ◆
舞のエピソードは基本的に魔物関係だ。
だからこそ、今回も希少な魔物を従魔にしたといった内容なのかと思ったら……想定外の内容だった。
「──育命、世界?」
「そう、『育命世界[テムリード]』。幻獣たちの秘境に隠されていた装置を使ったら、偶然そんな場所に辿り着いたの」
新発見の世界、俺が独占している幻想大陸の名を冠する世界とは違い、鍵のようなモノは不要らしい。
現状ではその装置を介してのみしか移動することができず、舞のような資格を持つ者のみが行けないようだ。
滅亡世界に誰でも行けるのは、そういった条件が無いからこそ。
……もともと侵略者ことバシビウスが来ており、休人の逆進行が想定されていたのだ。
「本当に凄かったの! 見たことも無いような魔物がたくさんいて、それを種族問わずにいろんな魔物たちで育てていたわ!」
「へぇ、何というか非戦闘系の休人でも楽しむことができそうなんだな」
「……今は問題が起きているから、戦ってどうにかしないとダメみたいだけど。でも、それが終わったら始まりの街から直通で行けるようになるはずだから! みんなも一回は来ないと損よ!」
モフモフが大好きな舞、だが家でペットなどは飼っていない……その反動もあるのか、EHOでは多くの従魔を使役して、大変可愛がっている。
どうやら有資格者以外が向かうためには、問題の解決が必要になるようだ。
……遺失世界の問題を解決しても、解放されていないのには別の理由があるのだろう。
「一番話したかったのはこれかな?」
「支援はするからな、必要なアイテムがあるなら言ってくれ」
「回復魔法とか神様の祝福が必要なら、いつでも言ってちょうだい」
「お、俺も何かできることがあるならやるから!」
「みんな……ありがとう!」
直接関われることは無いかもしれないが、その支えになることはしたい。
舞が育命世界を解放するのは……さて、いつになるのかな?
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