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DIY、コネ就職を求める
魔動再構築 後篇
しおりを挟む魔動を別世界でも行使できるようにするべく、『SEBAS』と再構築を始めた。
かなり限定的ではあるが、性能そのものは箱庭と同出力まで戻すことに成功する。
「魔動も魔動で、系統がいくつかあるみたいだな」
《属性を含まない場合でも、情報の書き換えにパターンが存在します。そしてそれらを高めるか減らすか、正と負で二種類の魔動がございます》
「えっとつまり、さっきの『発電』なら電気の源みたいなモノの動きを高めた……ってことになるのか?」
《正確には、電子の移動を操作することで同一の方向へ流れを一気に誘導しております》
「……その電子云々だけじゃなくて、全部が全部基本的に物理法則である程度説明がつくのが魔動ってわけだ」
魔法や魔術はシステム云々、そう説明を結論付けてしまえた。
だが魔動は違う、魔力を動かしても物理現象に直接干渉して──手順を踏んでいる。
「どうだ、銀花。これなら魔法っぽいことができるようになるわけだ」
「驚愕……これなら、アレも!」
「あれか…………うん、似合うと思うぞ」
なぜ電気を生み出したのか、その理由の一つとなる要素。
銀花にかつて、プレゼントした衣装……というかコスチューム。
モンパズコラボで手に入れた、登場キャラたちのコスプレ(能力部分再現)。
それこそが、雷の属性を秘めたキャラというわけで……。
問題はこれまで、銀花自身が衣装は気に入れど再現があまりできていなかった点。
機械としての機構で、雷を生み出していたが……やるならやっぱり、魔法風だしな。
◆ □ ◆ □ ◆
「魔動は順調だな。エクリの回路を、魔動にも対応する形に組み替えておこうか」
「はい、よろしくお願いします」
エクリは俺の理想を追求するために、これ以上ないというレベルで技術を組み込んだ。
それは:DIY:が可能とする限界、今の世界が可能とするソレ以上の代物。
回路を組み替えれば、できることを無限に変えることができる。
基本のスペックでも大半のことができるうえ、何かに特化させることも可能だ。
「基本的には魔力操作と『SEBAS』へのアクセスさえできれば、実行できるから併用は可能だ。もちろん、エクリ自身のスペックなら単独での行使もできるけどな」
「ですが、その場合規模はそこまでではないのですね?」
「そうなるな。人ひとりを殺傷する、とか対人戦をイメージするなら問題ない。けど、高位の魔物を想定したり、大規模な殲滅を……とかなら魔動機盤を別途で用意した方がいいだろう」
箱庭の場合、それが固有魔動だったり管理者の支援だった。
それが無い以上、魔力操作の範疇でできることにも限界が生じてしまう。
だからこそ、人は道具に頼ってきた。
自分ではできないものを、できるように。
まだ未知の多い固有の魔動、それを凌駕するナニカを作れるか挑戦してみよう。
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