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DIY、コネ就職を求める
魔動再構築 前篇
しおりを挟むアイスプル
機械と魔力が交わる箱庭を解放し、罪を問われる前に逃亡した俺。
ゲートを潜り、その先でも一悶着あったのだが……その辺はまた別の機会に。
「魔動機盤、いいサンプルだよ。解放されたお陰でテイクアウトできたし、再現も捗るってもんだ」
魔動機盤を一言でいえば、魔力運用の補助装置である。
……その補助が高度であるため、擬似的な魔法や魔術に匹敵するだけで。
類似した品に魔装というジャンルがある。
こちらは魔道具や魔剣などの総称だが、それとは魔力の扱いについて少々勝手が違う。
イメージとしては魔装の場合、予め設定された型通りに物を加工してくれる形だ。
なので誰が使おうと同じように、結果を出すことができる。
だが魔動機盤はどちらかと言えば、その過程でいくつか質問をしてくるのだ。
いわゆる需要に合わせた供給、使用者側でその理想を伝える必要がある。
「それでも、魔法や魔術と違って究極的には魔力操作だ。魔力さえあれば誰でも、属性の適性が低くても使えるのは利点だな……重要なのは、これがスキルを用いないこと」
魔法や魔術にはスキルが関わっていた。
正確には、複雑なことを気にせずに宣誓するだけで使うためには、スキルが必要となっている。
休人はその辺、万能の才能がアバター自体に備わっている(一部例外あり)が、原人たちは違う……魔動機盤はそういった点でも、価値あるものとなるだろう。
「ブラックボックスだった部分、箱庭から持ち出すと機能が停止するのか。出力がだいぶ下がっているけど、完全に持ち出せないよりかはマシってところか」
これまではできなかったことも、箱庭の解放に伴いできるようになった。
多少のデメリットは承知の上、いくつか持ち込んだ魔動機盤を解析していく。
「『SEBAS』、そっちはどうだ?」
《固有魔動は完全に再現できません。やはり特別なモノなのでしょう》
「……アプローチを変えてみよう。やり方が違っていても、最終的にそう見えればいい。使える物は何でも試してくれ」
《畏まりました》
事象を斬ったり空間を穿ったり、それを成していたのが職業システムの恩恵を受けていない人々だったので、固有魔動の可能性についていろいろと調べていた。
だが、固有魔動は箱庭解放後も箱庭内に限定されており、ブラックボックスもそのままとなっている。
重要区画はあらかた見ているので、その秘密を俺たちは知っていた。
そのうえで、自分たちでどうにかできないかと挑戦中だ。
「:DIY:開始──これはあれだな、銀花強化イベントだ」
純粋な機械の産物、『機械皇』が造り上げた機体である銀花。
彼女はこれまで魔法や魔術を使えなかったが……これがあれば、たぶんイケる。
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