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DIY、冒険を求める(続)
第二の箱庭 その26
しおりを挟む俺を追い詰める魔工機士。
彼らは特殊機盤と呼ばれる通常よりも性能が高い魔動機盤を使用し、俺を捕えようとしていた。
「──『偽・武神』起動」
遠距離の攻撃で牽制し、その合間を縫うように接近戦を何人かの魔工機士たちが直接仕掛けてくる。
それに対し、俺が行うのは結界を纏い操ってもらうこと。
身力に頼らない、純粋な武道であればほぼ無敵な力。
膨大な戦闘データを参照し、最適な動きを割り出してくれる。
──ただし、人体を無視した最適なので大抵は自損事故になっているけど。
「──“千変宝珠”」
警棒を振るわれ、掌で流す。
その他の攻撃もどんどん流し、反撃をすることなく対処することだけに専念する。
加えて、“千変宝珠”を展開して遠距離攻撃もシャットアウト。
球体を盾とし、空間属性を与えることで断絶した空気そのものを強固な壁とする。
「なっ……!」
「さて、どうしたものか」
やがて攻撃が収まった頃、盾の形状から武器に“千変宝珠”を変えていく。
剣や槍だけでなく、籠手や矢なども展開していった。
「貴様、何をしている!」
「見ての通り、時間稼ぎですが? ふむ、魔動機盤のプログラム起動には共通して詠唱は不要ですが、それは特殊機盤も同じことでしたか。ウワサでは、固有のモノには必須とのことでしたが…………ああ、無いのですか」
「うるせぇ!」
「それは貴方が、ですよ。皆さん、とても静かに任務を全うするべく動いているというのに……先ほどの挑発に応えたことと言い、まだ未熟なのですね」
接近戦を仕掛けていた魔工機士の一人が、ちょうど先ほどの挑発に乗ってくれた若いヤツだったので会話をしてみることに。
彼らの情報は集めているが、やはり生の情報が欲しくなる。
気になるのは話している通り、固有のプログラムの存在についてだ。
「他の方々はいちいち手を出さずとも結構ですよ──“魔道錬産・風”」
『ぐあぁっ!』
「くそっ、先輩たち!」
まだまだ若い彼を残し、接近戦をしていた魔工機士たちを一掃する。
魔力の消費は少々多め、魔道具を模した回路を宙に錬金してみた。
「その気になれば、いくらでも死傷者を生むことはできますが…………私は、あまり無駄な殺生は好みませんので。可能であれば、諦めて情報をお教えいただけると助かります」
「…………誰が貴様なんか。我々は、決して悪には屈しない!」
「ええ、ええ、それぐらいの威勢が無ければいけません。どうぞ好きなだけ、心行くまでご抵抗ください。そして、最後には私の求めるモノをお教えくださいね」
「死んでもごめんだ!」
周囲に結界を展開、彼らはこれを壊すまで若者を救えない。
この状況をどうにかするなら…………はてさて、どの方法を取ってくれるだろうか?
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