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DIY、冒険を求める(続)
第二の箱庭 その10
しおりを挟む鎮圧部隊が差し向けられたため、反撃に出ることに。
お久しぶりに[モルメス]を振るい、彼らの意識を奪っていった。
「さて、次は貴方たちです………………これで良しっと」
《映像の遮断、実行しました。旦那様が移動した場所の監視は、これよりすべて閉ざしていきます》
「うん、ホラー物って感じがするよな。でもよくできるな、ブラックボックスな部分には手を付けれてないんだよな?」
《たしかに完全な解析は済んでおりません。ですが、その部分を必要としない動作回路を機能不全にすることは可能です》
なんだかよく分からない理屈だが、ともあれ目的は果たせているようだから良し!
今頃お偉いさんたちは、俺をどうにかしようと必死に揉めているはずだ。
「まあ、追撃を差し向けられるのも当然だろうが……どこまで通用するのか、テストといきますか──“孤絶ノ衣”」
存在を遮断する『騎士王』お手製魔術。
性能は折り紙付き、おまけに術者が死んでも効果を発揮し続ける便利仕様。
しばらく歩いていると先ほど見たような格好の兵士たちがやってくる──が、俺に気づくことなく俺が居た部屋に向かって行く。
「効果は覿面っと。探索とか探知系の術式を使っているなら、話は別か?」
《いえ、そちらも問題ないかと。彼らが常用しているその探索方法が、おそらくは現在の旦那様の隠蔽方法に適応されていないように思えます》
「……つまり魔術か。魔力、そしてそれを利用する『魔動機盤』がある。だからこそ、その弊害が何らかの形で起きている、と?」
言うなれば、それは取り捨て選択の結果。
この世界独自の進化が進んだ果てに、魔術という概念に対する耐性が減ってしまった。
もちろん、これはあくまで仮設。
単に彼らが気づけなかっただけで、もっと練達した者であれば気づく可能性も……また手段として、暴く方法もあるかもしれない。
「というか、休人たちがいろいろとばら撒いているからその可能性は高いな」
《はい。失ったのであれば、また取り戻せば良いだけのこと。かつてと形は違えど、今の自分たちにできる方法で》
「魔術に対応した『魔動機盤』、それがあればいいだけの話だしな……あんまり長居はできそうにないな」
《では、先の計画通りに?》
「脱出は後回しだな、休人の利点は失敗が終わりにならないこと。つまり、やるだけやってみることが肝心だ」
すでに『SEBAS』がこの施設の情報は獲得済み。
なので真っ直ぐに来ることができた──情報を得るべく、俺はある部屋に向かう。
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