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DIY、冒険を求める(続)

第二の箱庭 その07

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 箱庭の住民たちに警戒されている。
 用意されていた部屋を『SEBAS』が調べ、情報を手に入れた──どうやらここは、魔力が存在する地球風の世界らしい。

「はてさて、最弱なくせによく分からない高い権限を保有する異常な個体。つまり俺を彼らはどう扱うのやら」

《現在、休人たちにもそれとなく情報を流すことで、反応を窺っているようです。しかしそちらはジンリ様の根回しが済んでおり、彼らが望む情報は得られていないご様子》

「……ついでに言うと、俺が来たって情報も普通に露呈しているよな。名前、隠しておいた方が良かったかな?」

《いえ。すべてを伏せた場合、部分的に伏せた場合、あらゆるパターンを想定して現状こそが最適であると出ております。彼らやジンリ様より上、この箱庭そのものと敵対しないためにはこれで良かったかと》

 箱庭には守護者が存在する。
 星の仕組みを部分的に引き継いでおり、これはある意味絶対の定めとなる──どういった形式で、なのかは不明だけど。

 同じ箱庭の守護者だったヘノプス、世界観に合わせて古代の生物だったが……少なくともこの箱庭で同じ存在は無いだろう。

 すでにここの守護者の情報自体は、休人たちが住民たちから聞き出している。
 ──だがその姿を、本質的な意味で見た者はまだ誰にも居ない。

「俺たちの会話も聞いているんだろうな」

《おそらくは。傍聴用の回線は妨害を入れておりますが、我々の細工では防げない仕組みとなりますとどうにもなりません》

「だよな……自分が上の立場になると、その辺のことを考えさせられるよ」

 分かりやすいたとえ──『プログレス』。
 個人でどれだけ対策しようと、俺は開発者の権限として発現した『プログレス』をすべて閲覧することができる。

 それはそうあれと、俺と『SEBAS』が設計してあるから。
 根本的な部分をどうにかしない限り、外部への漏出は防げても俺の目は誤魔化せない。

 要はそれと同じ、そもそもとして防げないようになっているのだ。
 少なくとも、抜け目ない者であればそうした仕込みの一つや二つしてくるだろう。

「すぐには仕掛けてこないよな?」

《休人たちが泳がされていることや、我々の情報を意図して開示しないことからもそう考えられます。こちらがどのように動くのか、まずは観察を行っているのでしょう》

「まあ、お互いにメリットがあるからこそ、というヤツか。向こうの気が変わる前に、できることはやっておくとしますか」

 今まで巡ってきた世界、そしてこの箱庭。
 まったく違う点というのは無いにせよ、この場所にしか無い物がある──それらを得て活かすこと、それが今回の目的だ。

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