虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、冒険を求める(続)

第二の箱庭 その05

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 箱庭02(仮) 中央

「──ようこそ、いらっしゃいました来訪者様。来訪者様は今回が初めてのご利用、でよろしいでしょうか?」

「……えっ? あ、はい」

 少々やらかし、休人たちにご迷惑をお掛けしながらもやってきた箱庭。
 箱庭への入り口に体を通し、まず先に映ったのは──受付だった。

「では、こちらに手を…………あら?」

「えっと、何か……あの、先ほど後方の方で問題が起きていたようで。あまり、時間はお掛けできないと言いますか……」

「あっ、そちらに関してはすでに対応の方を済ませておりますので。現在、団体様以外はそれぞれ異なるゲートでの対応を行っております。来訪者様が外でどのようなことをされていても、私どもは一切関与しません」

「…………なるほど、これはご丁寧に」

 水晶玉、ではなく掌を機械の上に載せさせられたところで、何やら表示された情報に対して首を傾げた受付嬢。

 あまり時間を掛けていると、追手が来るかもと急かしてみれば、どうやら先に来た休人たちによってとんでも技術のようなものが働き、その辺をどうにかしてくれた様子。

「あの、来訪者様……こちらの装置にも掌を載せていただきますね」

「あっ、はい……これで、大丈夫ですか?」

「…………」

 無言でジッと、異なる機械が読みだす俺の情報を調べる受付嬢。
 正直、プラスな理由もマイナスな理由も心当たりがあり過ぎてどれか分からない。

 やがて、情報の読み取りが終わったのだろう……機械が動作を止め、俺は手を放す。
 受付嬢もその行動を止めはせず、代わりにこちらを見て一言。

「──来訪者様。ツクル様、どうかご同行いただけますか?」

「ええ、誠意には誠意で応えましょう」

「はい、ではこちらへ」

 彼女はキーボードのような装置に入力を行うと、これまで何も無かった場所に四角い光が描かれ──そこが消え、突如として通路になっていた。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 ドローンを飛ばすなどの行為はせず、基本的には大人しく指示に従っている。
 案内された先の部屋で待つように言われ、座って待機することに。

「休人が来て結構経っているだろうし、対応の方も学んでいるわけだ…………結局、俺はどういうもてなしを受けるんだろうな」

 辺りを眺め、ある物が有ることを確認。
 腕に嵌めた宝石型の装置を適当に弄り、どこからともなくアイテム──機械端末を取り出し、耳に当てる。

《──部屋内部のセンサーが多いですね。ですが、これが通常の設備なのかが現状では分かりません。また、先ほどの装置で開示されていた情報が多く、旦那様をどの点で評価するのかも不明です》

「能力値だけなら最底辺、最近やったことでも同じになるかな? それでも[称号]や職業ならいい線行くはずだし……その辺を決めている間、開示されるのがここってわけだ」

 本当に見せられない物は、間違いなくここには存在しない。
 だが、休人程度であればこれで勝手に満足すると彼らも学んでいるのだろう。

 実際、今はそれでいい──ここで得られるモノはすぐに学ばせてもらおうか。

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