虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、冒険を求める(続)

職業ビルド 前篇

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 暗躍街 中立域

 神・世界樹の洞で参拝を済ませ、風兎が新たな職に就いたことを見届けた。
 現在、『プログレス』によって今まで見向きされていなかった職業が注目されている。

「──と、言うわけで話を聞きに来た」

「いきなり言われてもさっぱりだって、何度言ったら分かるんだよ……ハァ、一からしっかりと説明しろ」

 本日向かったのは暗躍街、その中でも誰の領域にもなっていないい稀有な場所。
 そんな所で情報屋を営むこれまた変人、やれやれと言った風に肩を竦める彼だ。

「まったく、二度も言わせるなよ」

「いや、一度として説明してないからな」

「……と、言うわけで話を聞きに来た」

「何も変わってないからな!? ……くっ、自分がやられると妙に腹立つな、それ」

 今度は俺が肩を竦めるポーズを取ると、強く拳を握りだすタクマ。
 自分で言うのもアレだが、そう思うぐらいなら初めからやらないでもらいたい。 

 仕方がないので、三回目は正直に説明をすることに。
 それはアイスプルでの就職作業が終わり、考えたこと。

「『プログレス』が及ぼす職業ビルド、ただし上級職までの方でだ。一つ一つの能力は違えど、ある程度の法則性はあるんだろう?」

「ん、そりゃあまあな……というか、最初からそう言えってんだ」

「だから言ってただろう?」

「だから言ってねぇよ!」

 なんて軽口を叩きあった後、俺は席に座り真面目な態度を取る。
 タクマは頭を掻き毟った後、溜息を吐いて席に着いた。

「で、職業ビルドだっけ? 凄い数あるけど全部聞くのか?」

「最近の主流……は無理か、『プログレス』関係で発見された奴だな。【○揮師】みたいな感じのヤツを頼む」

「あー、アレか。よし、じゃあ情報を纏めるから少し待ってくれ」

 俺が渡した情報端末を操作し、データを画面に表示したうえで見せてくれる。
 そこにはいくつかの職業名、そしてそれに適した『プログレス』の系統が載っていた。

「やっぱり、派生形とか特殊系の職業が該当しているな。元は人族じゃ扱いづらい職業ばかりだったが、それが『プログレス』の擬似権能で変わった。まあ、魔物の魔石やらで能力が発現する場合なんかが多いからな」

「なるほど……非戦闘職にもあるんだな」

「自分は戦えなくなるってヤツだろ? 代わりに『プログレス』で戦う手段があればいいわけだ。これまでは従魔だったが、そっちはキャパの問題もあるからな。『プログレス』ならそっちも解決している」

 画面をスクロールして眺めると、今までは知らなかった組み合わせがいくつも。
 何個かは魔物たちでもイケそうな職業もあり、大変参考になった。

 そんな中、ある職業を見つけた俺の指はピタリと止まる。
 そこに記されていたのは──

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