虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、冒険を求める(続)

就職問題 後篇

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 職業システムに関して、更なる改善を進めてみることになった。
 どうやら、俺の“職業系統樹”を利用してアップデートを図るらしい。

「…………俺、やることないな」

 アレからもレベリングを行い、着実に経験値は溜まっていた。
 が、それ以上の変化は無かった……職業システムは『SEBAS』がやっている。

 そもそも、前回用いた職業システムのデータも『SEBAS』が案役街から入手してきてくれたもの──俺はそこに行ったことが無いし、そもそもどうすればいいか不明だ。

「まあでも、新しいバージョンの情報については教えてもらったからな……とりあえず、俺が就くことのできる職業が増えるわけではないが、代わりに住民たちは俺が解放した職業に就けるようになる、と」

 計画を始めた時、不正アクセス云々と語ってくれていたはずだが……どうしてそれをクリアできるのか、全然分からない。

 だが送られてきた資料([ログ])を確認すると、たしかにできると書いてある。
 加えると、当時の話し合いより凄い機能も搭載されるようだ。

「えっと何々、アイスプルの理として手を加える? で、上級までの職業解放条件を全員で共有できる…………マジか、これは本当に凄い機能だな」

 簡単に言えば、俺が今まで就けないでいた戦闘職の中・上級職なども、これからはいづれ就くことができるというわけだ。

 少なくともこれまでの状況であれば、間違いなく無理だった──基本的に戦闘職の中級や上級の条件って、大前提として種族値の合計の高さなどを求めてくるんだよな。

 そんなこんなで諦めていた能力値という絶対的な壁も、当然うちの住民であれば余裕でクリアできる……むしろ、クリアできないヤツの方が珍しいレベルで(ほぼ俺一人)。

「さすがに最上位職ともなると、人数制限やら試練があるから無理そうだけど……大半の原人はそもそも上級止まりなわけだし、そこはまあ良しとしておこう」

 なお、これは俺の“職業系統樹”を模してもどうにもならないようだ。
 そもそもかなり強引なやり方でやっているので、さすがに難しいだろう。

 というか、それが可能だとアイスプルの民が大半の最上位職を奪いそうで怖い。
 素質があり、実力があり、何より俺の支援で何度でも挑める──そりゃあできるよ。

「まあ、そうなると今まで以上に職業経験値が溜まるわけだし。どんどん解放していけばその分、俺も王道的な強さを得られるな」

 アイテムで無双するのもいいが、普通に戦い普通に勝つ……なんてこともしたい。
 だからそのためにも、『SEBAS』はやり遂げてもらわないとな!

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