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DIY、冒険を求める(続)
人形レベリング 前篇
しおりを挟むアイスプル 迷宮『進魔の修練場』派生『生者の遊歩道』
一度は、そして何度もやっておきたい転生システム。
だがそれには膨大な量の種族経験値が必要だと、改めて知った。
「だからこそ、レベル上げをしないとな──それじゃあ皆さん、お願いします!」
俺が求めるのはあくまで経験値のみ、自分一人でやる必要も無い……矜持も無いしな。
人形たちと魔力の糸を繋ぎ、ひたすら経験値効率の高い魔物を倒し続ける。
就いている【人形師】や【傀儡師】の職業効果もあり、人形たちが活躍した経験の一部が通常よりも多めに反映される──糸の数は十本、十体の経験値を奪っているわけだな。
「しかしまあ、種族の経験値は微々たるものだな……でも、職業の方はがっぽりだ」
人形たちを使っている関係で、得られる経験値を十全に受け取ることはできない。
うちの人形は特別性なので、彼らが各々で経験値を得ている。
だがそれでも、その分掛かる手間を惜しんででも得られるメリット。
それが職業経験値──星の民が職業に付けるようになってから、分かったことがある。
《人形たちが職業に就いている場合、旦那様は彼らが就いている職業に適した経験値も同時に獲得できる。これは大発見です》
「普通は人形が職業に就いていること自体珍しいし、【人形師】系統に就いている奴が人形も【人形師】系統の職業に就けるのもあまり意味が無い……複合系の職業なら、もしかしたら可能かもしれないが」
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いちおう神代の記録だと、ありとあらゆる職に通ずる職業は在ったということだが。
しかも【救星者】とは別、なので俺以外でも同じことが絶対にできないわけではない。
だが今は、そんな方法も利用する。
職業経験値は稼げば稼ぐほど、【救星者】の能力“職業強化”の糧となり、更なる力を俺にもたらす。
今はいちいち付け替えなければ使えない職業の能力も、いづれは切り替え無しで自在に使えるようになる──差し当たっては、今付けている【人形師】系統は必須だな。
「『プログレス:ブレスレッド』」
インストールした『プログレス』は、肺と置換され俺の呼吸量を高める。
同時にそれは大気の、身力を取り込む量を増やし回復量をも上げていく。
それを受けて、人形への供給量を──増やさず、代わりに糸の数を増やす。
繋ぐ先は既存の人形ではなく、新たにこの場に展開した十体の人形たち。
「『SEBAS』、制御を頼む」
《畏まりました──『セバスチャン』を起動します》
さすがに今まで通りの制御はできなくなるので、その辺は『SEBAS』にお任せ。
俺はこれまでと変わらず、ただ人形たちの無双劇を見てるだけで経験値を稼げるのだ。
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