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DIY、冒険を求める(続)
転生システム 後篇
しおりを挟む転生システムを使う恩恵は凄まじいが、俺はそのほとんどを受け付けられない。
だが現状でも、同じようなことをアイテム経由で出来ているので問題は無かった。
「ちなみになんだが、原人で転生システムを使うようなヤツっているのか?」
《あまり多くはありませんが、事例はいくつかございます。短命な普人族などは長命な種族になることを目指し、仙人への進化を捨て転生を選ぶことが多かったようです》
「うーん、過去形だな。つまり、今はそれほど行われていないと」
《限りなく神代に近い、太古の記録に情報がございました。それを基にし、挑み──失敗したという例もいくつか》
俺も転生システムは調べていたので、失敗についてはある程度把握している。
単純な進化はともかく、特殊な進化や転生などには何かしら条件達成が要るのだ。
戦闘能力が求められるものだったり、あるいはその知恵だったり。
要するに転生クエストっぽいのをクリアしないと、なれない種族があるのだ。
《当時は転生に延命以外の意図はあまり見受けられず、それを行った者たちも高レベルでは無かった模様。また、それゆえに力を得られずにすぐ殺されてしまうとのこと》
「長命種を目指す以上、基本的には種族が変わるんだよな? 偉い人とがやっても、その辺を突かれて殺されそうな気がする」
某魔法使いの学校で有名な、純血と混血の差のようなもの。
突然種族を変え、そいつだけ長生きすると言われたら……憤慨するかもしれない。
転生したからと言って、創作物のように超絶チートですぐに無双なんてことは不可能。
それを下積む時間も無く、殺意と狂気を向けられれば……低レベルで抗う術など無い。
「あとあれだな、成功した奴も大半は情報を出し渋るか。教えて狙われるのもそうだし、そもそも転生ってほぼ夜逃げというか世逃げだし。短期間で死ぬ覚悟で強くなる休人はともかく、原人は大変だろう」
結局のところ死ななければいいのだが、それが通用するのは休人のみ。
延命が目的ならば、転生した後は誰にも見つからない場所へ向かうだけでいい。
自分を狙う者は、命という時間の短さが勝手に解決してくれる。
……その中で精神が狂おうと、そこは自己責任というものだろう。
「っと、まだまだ先の話を結構話したな。転生は転生ボーナスをある程度獲得できる分、それと転生後にすぐレベルを上げるための経験値を確保したうえでだな」
《どれほどのレベルをお望みで?》
「監獄でいろいろあったからな……やっぱりすぐカンスト、は無理にしても250の壁は超えておきたいか」
少なくとも、それで逸脱した連中以外には“精辰星意”が通用するようになる。
とりあえず、が種族の限界点な辺り俺もそうした連中と同類になってしまったよ。
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