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DIY、冒険を求める(続)
いつもの見回り
しおりを挟むアイスプル 上空
かつて作り上げた化学兵器……モドキ。
地球とは異なる物理法則により、本来作れぬはずの代物は:DIY:の創造によってもたらされた兵器の点検を終える。
アレから迷宮内の隔離された空間で、再び核燃料を大量に作った。
かなり危険な作業ではあるが、:DIY:のサポートもあって無事に完了している。
材料も足り、『模造工場』──神代魔道具の劣化版──は稼働を再開、危険な核燃料を装填した槍『核爆槍』が工廟の中にストックされていった。
「さて、核の方はこれでいいとして……次は見回りだな」
迷宮を出た俺が次に行っているのは、アイスプルに異常が無いかの確認。
俺が居なくとも回るよう『SEBAS』が管理はしているが、それでも念のため。
気分を出すために上空で、【救星者】の能力で星の管理画面を開いていた。
理解できない数値やアイスプルという惑星の全体図など、様々な情報が載っている。
「うーん、やっぱり分からんな……いつものアレを頼む」
《畏まりました──視覚補助フィルターを展開します》
理系でもプログラムの専門家でも無い俺には分からない情報だらけだったので、数値などの情報を見やすく分かりやすく、色彩という形で反映してくれた。
地球儀もといアイスプル儀が画面いっぱいに展開され、そこに色が付いていく。
問題が無い場所は灰色無色、何か問題があれば危険度に応じて青、黄、赤に塗られる。
「…………闘技領域の赤はいつものことだから無視するとして、問題は…………この海の辺りか? これはいったいどうしてだ?」
《先日、新たに精霊と契約した個体が暴走、『プログレス』の能力も相まって周囲にその影響が及びました》
「めでたいが、それをすぐに褒めることはできないか……」
闘技領域に関しては、破壊と再生を繰り返す場所なので普段からスルーしている。
ゆえに気にしたのは、青色とはいえ問題が生じていた海域。
詳細を聞くと、海にハマっている魔物が海属性の精霊と契約して、海系統の『プログレス』ではしゃいだようだ…………森出身だからこそ、海への想いが強かったらしい。
闘技領域に海は無く、また水辺の環境を再現するのも時期では無かった(定期的に環境は変遷する仕様)。
なので自身は超越種や災凶種と違い、まだまともだと考えた魔物が、闘技領域外で力を試した結果──大惨事となるわけだ。
「風兎には連絡を?」
《すでに。当個体がお説教を受けています》
「了解、なら俺から言うことは何もなさそうだな……よし、現場に行きますか」
風兎が言えば、大抵の魔物たちは反省してくれるので俺は問題の修正だけでいい。
管理者としての権限を使用し、色の付いた座標へと転移するのだった。
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