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DIY、冒険を求める(続)

公式イベント未定

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「──運営からのイベント告知は無いぞ?」

「……そうか」

「まあ、ワールドクエストなんていかにもプレイヤーが食いつくイベントが盛り上がっている真っ最中なんだ。事前に準備していたならともかく、都合を付けられるならしばらく何もしないんじゃないか?」

 脱獄を終えて得たものを検証し終え、改めて何をすべきか考えた。
 そして、これからについても(大雑把に)決めた俺。

 そろそろ運営が何かを告知する頃かと思って、拓真に聞いてみたが……結果はこれ。
 他でもない俺が広めたワールドクエストの情報によって、来ていない可能性が高い。

「そういえば、お前の言っていた監獄の中にはまだ誰も入れてないみたいだぞ。座標の情報を基に知り合いに向かわせてみたが……それでも、開けなかった情報を聞いた」

「ん? そうなのか」

「ああ、監獄内部の情報は収容された休人たちがどんどんばら撒いているからな。たしかほら……『邪悪深殿』だったか? そこから出るアイテムはかなり強いらしいからな」

「あー、そういえばそうだったな。適当に宝箱から回収して、保管はしてあるけど……そのうち確認しておくか」

 大半の物は星敵たちが回収していくので、休人たちが得られるモノはごく僅か。
 だがそれでも、彼らが探索できる浅い階層で張り込むことで集めていたことがあった、

「……いいの、あるのか?」

「うーん、適当に集めてただけだから内容は把握していないんだよな。脱獄に専念して、そこまで意識してなかったし」

 俺が宝箱を主に見つけていたのは、脱獄に向けて一気に登っていた時だ。
 上層の方は来た者も少なく、未開封の宝箱が無数に残っていた。

 放置しておくのも勿体なかったので、それらをドローンで回収していたのだ。
 なので俺は[インベントリ]に増えたアイテムのリストでしか、詳細を把握してない。

「…………なあ、それ売ってくれないか?」

「俺にとって、あと住民にとって価値のないヤツなら別にいいけど。街の方に配置して、売り捌くことにするか」

「例の偽装したって街か? あれ、結局どうなったんだ?」

「正直、今正式にオープンしても運営公式イベントと同じ扱いになりそうだしな。一先ずは空けておいて、何も無い時にさっと広めておくつもりだ」

「……そうなったら、また運営のイベントが無くなりそうだな」

 休人の数がそれなりに居るとしても、より魅力的な方に大多数は向かう。
 わざわざ少数を集めるよりは、時期をずらして集めた方がいいはずだ。

 アレから街の方も、『SEBAS』がいろいろとやってくれているからな。
 あと数回、チェックをしたら正式に解放してもいいかもしれない。

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