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DIY、監獄ライフに勤しむ

神様談(27)

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 人知の届かない真っ新な世界。
 神々が、名を失いし神話の存在たちが住まうその領域は──現在、彩られていた。

「祝、ツクル君の布教拡大! さぁ、飲んで呑んで盛り上がっていこう!」

 創造神──■■■がそう言って杯を掲げ、中に注がれた液体を一気に飲み干す。
 見た目は少年な■■■だが、神に外見など関係ない──杯の中身はすぐに消え去った。

「あの世界はいろんな意味で影響力が凄まじいからね。ちょうど神のポジションも空いていたみたいだし、真っ先に僕たちの神話が入り込めたのは大変喜ばしいことだよ」

「じゃが、正式な形ではどの神話にも座は空いておらん。暫定的なものでは、権限も無いことを忘れるなよ」

「うぐっ、それはそうだけどさ……」

 ■■■を窘める老人──老神、死神。
 ツクルの功績を祝うことには賛同した彼だが、まだ不安定な状況であることを■■■に念押しする。

 ツクルはあの世界──滅亡世界と自らが呼称していた世界において、その星の意思である少女に働きかけ、自らが信仰する神話以外の神話について制限を持ちかけていた。

 完全に取り除けば反対もされるだろう、ゆえに先んじて神殿の代わりとなるものを用意してそこに失名神話の神々の神像を配置していたのだ。

 これに関しては休人たちの行動を促すよりも前、自らの手によって進めている。
 おまけに、その施設も休人たちの貢献で更新される仕掛け付き──誰もが騙された。

 まるで、ワールドクエストの進行によって神殿が現れ強化されていくかのように振る舞い続けたのだ──実際、内部にはツクルたちの調べた情報をいくつか紛れ込ませている。

 これにより、クエストとして表示されない名も無き神話という認識が休人たちの中で広がっている──そしてそれは、ある休人が話す失名神話であるという情報も。

「ツクルやそのお友達、『プログレス』に仕込まれた情報なんかが上手く噛み合っているね。結果として、こんな風にお祝いをすることができるぐらいには力も回復しているわけだよ」

「……このような使い方をして、本当によろしいのでしょうか?」

「◆◆◆◆が言うことももっともだよ。でもこれ、他ならぬツクル君からのお願いでもあるわけだし」

「『皆様が、心から行いたいことに』というものでしょう? ですが、彼に還元されない使い方というのも……」

 ツクルの頑張りにより、取り戻した力の使い道がこれなのか、とジト目を■■■へと向ける女神◆◆◆◆。

 だがそれを想定していたのか、■■■は不敵な笑みを浮かべ迎え撃つ。

「ふっ、こんなことも言われるかと思ってきちんと準備してあるよ。きっと、ツクル君も喜んでくれるだろうね」

「──そんな話、聞いておらんのじゃが?」

「さ、サプライズだよサプライズ! だからみんなにもまだ秘密! ほらほら、今はお祝いだよ? ……だからその縄、早く下げてくれないかな~?」

 その後、神々によって縄で縛られ尋問された■■■だが、決してそのサプライズについて吐くことは無いのだった。

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