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DIY、監獄ライフに勤しむ
脱獄完了 その10
しおりを挟む時折、ワールドクエストがそれなりに進んだ時だけ星の意思を宿す少女が顔を出すことにより、休人たちのモチベーションはそれなりに高かったようで。
施設の建造やその発展なども進み、他の星の技術なども流出しているようだ。
……もちろん、[クエスト]できちんとした手続きを踏んだうえでな。
「それでどうです、これからこの星はきちんと再星していきますか?」
「少しずつ霧も晴れているので、いつかはそうなると思います。でも、それがいつになるのかは……完全な除去を済ませたうえで、また星中の脈を整えていかないといけませんので……」
地脈や霊脈、龍脈といった星を循環するエネルギーの流れが通る道。
そこにソレが流れない限り、澱みが溜まりそこには魔物が発生してしまう。
だが循環させるのも簡単には行かない。
すでに地質の調査などが行われていたが、その報告によると星の脈はそのほぼすべてがズタズタな状態とのこと。
まずはそれを回復させたうえで、正しい流れに調律していかなければならない。
星がそれを単独で行えるほど、今はエネルギー足りていないのでこちらも休人頼りだ。
「【陰陽師】や【測定士】、【風水師】に就いている皆さんに頑張ってもらっています。それでも、霧を全部払った場所に限られますので時間は掛かると思います」
「そうですね。まずは霧をどうにかすることが先決でしょう。誠意を見せて休人たちを頼り、霧を払ってもらいましょう。彼らは仮初の存在、こちらの人々には任せられない仕事も委ねられます」
「……たとえ死ぬようなことでも?」
「覚悟の無い者はそもそも受けません。死に伴う代償、それを受けても困らない支援を用意すればいいだけです。大事なのは、彼らが納得するナニカを用意すること。彼らなりに納得すれば、自ら行動してくれますよ」
ワールドクエストは超大人数で行っているのだが、決して競い合いではない。
担当する分野で報酬は違うし、受けた量と質で多少変動するぐらいだ。
当然、受けた時期で内容に変化ぐらいはあるかもしれない。
だがそれだって、きちんと納得できれば誰も文句は言ってこない……常識的な奴は。
そりゃあ霧の除去が終わったのに、除去の依頼がいつまでも残っているわけはない。
その後は代わりに調査やら調査員の護衛やら、また新しい依頼が生まれるだけだ。
「何かあれば私も協力します。ご連絡の際はいつでも、『プログレス』を介してお伝えください」
「! 何でも話していいんですか!?」
「……私も休人ですので、話せる時間に制限がありますがね。まあ、そういった場合には他の相手をご用意しましょう。優しい方々ですので、きっと話にも彩りが生まれますよ」
脱獄を終えて、星の復興も順調に進んでいる──しばらくは顔を出せないだろうが、連絡には出るからそれで許してくれ。
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