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DIY、監獄ライフに勤しむ
脱獄完了 その08
しおりを挟む滅亡世界(?)
現実にて、拓真とワールドクエストを広めた影響について話し合った。
俺も『復興再星』となったクエストを受けて、励むつもりだったのだが──
「…………数の暴力ってヤツですね」
「【救星者】様! あっ、じゃなくてツクル様! 見てください、凄く綺麗です!」
「え、ええ。まさか、こんなにも早く事が進むとは……紹介した自分でも驚きです」
アイスプルから転移した俺を迎えたのは、荒廃した世界──ではない。
そこは小規模ではあるが建物が並ぶ集落、そして辺りには人々が集まっていた。
空は未だに暗いままだが、術師たちが空に向けて照明を飛ばして明るくしている。
土も同様に何かをしているようで、草木が所々で生えつつあった。
なお、俺をツクルと呼び直すことを了承してくれた、星の意志を宿す少女が感動しているのはまた別の方向──すでに復活していた海である。
「アレはいったい、どうやって?」
「残念ながら、企業秘密ということなので分かりませんでした。ですが、『プログレス』由来だと特別に教えてもらいました!」
「なるほど……」
俺もかつてはアイスプルで、海を復活させるために大々的にテラフォーミングを行っていた……だがアレは俺しか居なかったからこそできたこと、正直被害が半端ない。
しかし『プログレス』は擬似権能、部分的にとはいえ逸脱した連中の理屈を超えた事象改変を可能とする代物。
被害を留めたうえで、海を蘇らせるプロセスを実行するのも、複数人が力を合わせればできなくはないだろう……少なくともこの場には、何千何万と休人が居るらしいからな。
《ドローンを利用すれば、この場に居る全休人の観測も可能ですが……》
(ああうん、それは無しで。人を探す絵本でもないんだし、目が痛くなるような光景は勘弁だよ)
休人はアバターを操作し、EHOの世界を動いている。
原人とは異なる器、その肉体には様々な機能が性質として備わっていた。
──細かいことは省くが、それこそが休人がどれだけ[ログイン]しても人数オーバーといった事態にならない理由。
機械越しに、そしてフィルターで濾した世界には有象無象、バグのように重なる人々の姿が映し出されることだろう……一回見て、後悔したことある。
休人同士でしか適応されないので、原人と被ることは無い。
そのうえで、きちんと捉えられる者については接触した際に物理的な反応が生じる。
──要するにアレだ、モブは誰にも気づかれず主人公やそれに準じる存在ほど誰からも注目を浴びるというわけだ。
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