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DIY、監獄ライフに勤しむ
脱獄遂行 その25
しおりを挟む何度でも復活する死骸たち。
それを相手取る『騎士王』は、その絡繰りが休人の復活方法に近いと推測する……まあかなり近いな。
理屈は不明な『イモータルマスター』ではあるが、何も無から復活するという超絶チートなやり方……ではない。
「ふむ、だいたい理解できた」
「ほお、さすがは『騎士王』様。では、答え合わせをしましょうか」
「いや、不要だ。我の中で理が通っていれば良いからな──“■■”」
何かを唱えた『騎士王』、それと同時に振るっていた星剣に宿るナニカ。
これまで通り、魔物が『騎士王』に襲い掛かりそれを裁断される……問題はここから。
「復活、しない?」
「証明はできたな。これであれば、貴公でも殺せるかもしれぬ」
「…………それは恐ろしい」
何かしらの法則性から、復活を阻害する術式を開発したようだ……しかも土壇場で。
こういったことができる才覚がある、やはり『騎士王』は最高と呼ばれる存在だ。
「『生者』よ、貴公の体は今かなり狂った状態にあるが」
「貴方の体も模しているというのに、その言い方はいかがなものですかね?」
「高みの見物をしていたのは、いったいどのような理由故だ? 体を慣らすのに、まだ時間は必要か?」
「……ははっ、分かっておいでですね。あまりイジめないでください」
魔物たちは会話の間に、塵も残さずすべて抹殺されてしまった。
だが、その間に体を動かすための最適なプログラムが『SEBAS』により編まれる。
意思の通りに体が動き、念じるままに能力が起動していく。
本来はマニュアルになるハード仕様も、今では簡単イージーモードだ。
「では、そろそろ始めるぞ」
「っ、ええどうぞ」
そう語り合い、俺は前に──警鐘に合わせて地面にへばりつく。
それとほぼ同時、転移か高い能力値で近づいてきた『騎士王』が鑓を横に薙ぐ。
「剣を、使うのでは?」
「剣だけを使い続ける、と言ったつもりは無いのだが?」
「ははっ。そうです、か!」
能力値なら充分にある。
地面に手を付け、押し込んだ反動で蹴りを一発──片手で掴まれるが“人霊切替”で離脱し、再び切り替えてから蹴りを放つ。
一度限りの騙し討ち、これ以上は同じ手など通じないだろうがそれでもいい。
手札だけならいくらでもある、それが尽きるまでは決して俺は倒れず戦える。
「……足りればいいですけど」
「足りぬさ、我を相手取るにはな」
「いえ、それでも勝つのは私です!」
そう言って勾玉を握り締める俺を、『騎士王』は警戒した。
さすがの『騎士王』も、固有種の能力は警戒するだろう。
「──“再生入器:命燃やす灯火”」
さぁ、攻撃開始だ!
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