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DIY、監獄ライフに勤しむ

脱獄実行 その13

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 空中での戦いは、瓦礫の上に乗るというまさに仙人みたいなことをした『闘仙』が勝つ形で終わった。

 同じ技“天閃腕”をぶつけ合い、一瞬で負けた俺の体は地面へと叩きつけられる。
 十層から降りるもとい落ちて九層、地に足着けての再戦が始まった。

「──“星攻化身”!」

「無駄だ──“雪崩拳”」

 開幕早々、俺が行ったのは『星革の手袋』による大量の生物創造。
 動物やら魚やら虫やら、多様な生物がいっせいに『闘仙』へと襲い掛かる。

 だが、そのすべてが拳の連撃により排除されていく──“雪崩拳”、文字通り雪崩の如きラッシュに生成速度は間に合っていない。

「それなら──“星転飛流”!」

「……はっ!」

「えっ、気合だけで!?」

「いいや、仙術だ」

 改めて説明するが、『闘仙』は通常の超常現象的な仙術が使えない仙人だ。
 まったく使えないわけではないようだが、少なくとも大規模なものは無理。

 がそれでも諦めなかった結果、肉体を強化して物理で超常現象に等しい結果を生み出せるようになった──それが『闘仙』だ。

 今回俺は大量の水を生み出し、それで一時的にでも距離を取ろうとしたのだが。
 それを『闘仙』は何もしないまま、ただ一声と共に耐え切ったのだ。

《旦那様、仙丹の反応はございません。ですが精気力に関しては確認できました》

「……いづれにしても、本来の仙術ではないことはたしかということですね」

 精気力、つまりAPを消耗して武技などは発動される。
 中には発動中、天井を歩いたり壁と平行になったりするものもあるわけだが。

 それらの類を自力で行い、踏ん張ったのが目の前の『闘仙』のようだ。
 わざわざ仙丹を使わなかったのは、せずとも済むという自信の表れか。

「ならば──『グランドマロット』、からの“極小火ミニマムファイア”!」

「甘い──はっ!」

 先ほど同じく、一喝した『闘仙』の衝撃波が生み出した魔法を掻き消す。
 正直目を疑う光景だが、『超越者』はだいたいそういうものだと慣れていた。

 続いて水、風、土……と連続して魔法を放つが結果はほとんど同じ。
 それぞれの属性合わせた対応をされ、向こうは無傷──何より一歩も動いていない。

「もういいか? ならば、そろそろこちらから行くぞ」

「!」

「──“旋転波”!」

「ッ!!??」

 練り上げられた仙丹が、波動となって掌から放たれるこの技。
 理屈が分かっているので回避しようと思ったが、俺が知るものより格段に上だった。

 速度、距離、そして死亡レーダーから分かる威力もまったくの別物。
 それをまともに受け、動けない俺の下に近づく『闘仙』──蹂躙が始まる。

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感想 16

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