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DIY、監獄ライフに勤しむ
脱獄実行 その07
しおりを挟む俺の意識は、星敵となる選択をしたことで途絶えた。
その手に『生者』の権能を込めた遺製具を握り、『SEBAS』へ処理を委ねた。
≪星敵認定条件をクリアした存在が誕生≫
≪『書』に類似存在なしと確認。星敵誕生世界に通知≫
≪特殊処理挿入≫
≪星敵誕生世界の変更申請≫
≪双方の承諾を確認≫
≪星敵誕生世界より承諾通知≫
≪対象を星敵として正式に認定≫
≪対象に星敵権能・討滅通達機能を付与≫
≪対象を星敵──『超越生者[ツクル]』と認定します≫
……本来、休人だけでなく星敵たちですら知り得ることの無いこれらの情報。
秘匿アナウンスという形で送られてくる情報を、俺は真っ暗な世界で閲覧する。
理屈は単純、アイスプルに送られてくるこれらの情報を『SEBAS』がそのまま転送してくれているのだ。
どうやら、俺の星敵としての名前はそこまで変わらなかったらしい。
能力の詳細に関しては、[ステータス]が開けない状態なので確認できないのだが。
すぐに起きることはなく、器に権能が収まるまではこの状態のままだ。
抽出しておいた権能だが、星敵として得られるリソースもまた俺経由で送られる。
要するに、作業がすべて完了するまではこの状態のままというわけだ。
周囲の状態も分からないまま、このままただ待つだけ……ある意味狂いそうだな。
(けどまあ、それでも信じているからな)
どれだけの時間待ったかは分からない。
時間の感覚も分からないまま、何もしないで漂っていると──光が差し込む。
沈んでいた俺の体は、光を浴びてゆっくりと上へ浮かんでいく。
すべてを委ねている俺は、その温もりに包まれて──
◆ □ ◆ □ ◆
星層監極 街
「……ああ、そうでした。ご助力を願っていたのですね」
「そろそろ夜明けになりますわよ」
「なるほど、そこまで時間は経っていなかったのですね」
「私の時も、数時間で目を覚ましましたわ。それぐらいのものなのでしょう」
目を覚ました俺を覗き込む、同じ行いの先輩である【傾界魔王】。
夜までは守ってくれる彼女の、制限時間内に目を覚ますことはできたようだ。
「ようこそ、星敵の世界に。改めて歓迎いたしますわ」
「体に権能は宿っていませんがね……ええ、よろしくお願いします」
「分離してある都合上、ある程度の不都合は許容できますわね? 私の場合は、さしたるものではありませんでしたが」
「……問題ありません。どうやら、適した形で収まったようです」
確認できないでいた権能に関する情報を調べ、その内容に思わず笑みを浮かべる。
──さすがは『SEBAS』、その辺も入念にやってくれていたよ。
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