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DIY、監獄ライフに勤しむ
脱獄実行 その02
しおりを挟む星の再生ならぬ再星について、少女──滅亡世界の星の意思に訊ねてみた。
他ならぬ彼女にこそ、それを決める権利があるのではないだろうか。
「──お心遣いはとても嬉しいです。ですがそれでも、わたしには【救星者】様の手をお借りすることはできません」
「……どうしてか、聞いていいか?」
「はい。上手くは伝えられませんが、少なくともそれはわたしの──星々に住まう者たちの手でやりたいのです……今はまだできないですが、それでもいつか」
「…………そっか、なら手伝っちゃいけないな。気が変わったら言ってくれよ、その時はバリバリ手伝うからさ」
彼女の眼は変わらない固い意志を示していたので、ごり押しはせずあくまで提案ぐらいにしておいた。
「さて、じゃあ話を戻そう」
「ここからの脱獄ですね! いったいどのようにして【救星者】様がこの難攻不落の迷宮から脱出するのか、楽しみです!」
「あー、そのことなんだが…………うん、普通の方法じゃ出れないから無理だぞ」
「そうなの、ですか?」
まあ、これが現実にもあるような牢獄であれば話は違ったかもしれないが。
なんせ迷宮なのだ、通常にはない便利なシステムが今回は俺たちに牙を剥く。
「たとえばリセット機能、罠なんかの耐久度が勝手に戻るやつだけど、ここの場合は檻やら天井やらにもあるからな、全部を同時にやらないと後に続くこともできない」
「あれ、でも皆さんってたしか檻の中には居ませんよね?」
「いちおうな。だからその檻は、別の連中を仕舞うためにいろいろ試していたら勝手に付いたものなんだ。これから増やす予定でもあるのかもしれない」
推測できることはいくつかあるが、確定したら『SEBAS』が教えてくれるので今は話を進めることに専念する。
「天井とか壁とか、そっちが壊れない。壊れてもすぐに回復するってことを覚えておいてくれ。星敵が暴れても大丈夫なレベルの迷宮なのに、それだけ面倒な仕様があると掘って出ようというのも難しいんだよ」
「なるほど……では、【救星者】様はどのようにして出るおつもりだったのですか?」
「そのための方法をゆっくりと仕込んでいたわけだ。で、今回それがようやく完成……はまだしていないが、試せるぐらいにはできたからやるわけだ」
本来なら万全を期してやりたかったが、外の世界が不穏だと『SEBAS』が情報を集めてくれた。
長いことここにいると、おそらく他の星から星敵以外のヤバい連中が来るのだろう。
なので早急にその方法を実行するため、この空間も用意したわけだ。
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