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DIY、監獄ライフに勤しむ
脱獄開始 その26
しおりを挟む砲台に星敵の火力を乗せ、ダメージ量を調整したうえでレッツ砲撃。
塔型の怪物を、内部からではなく外部から絶賛攻撃中な俺たち。
星敵たちの行動は大きく分けて二つ。
砲撃を行う者と塔から現れる異形の化け物たちの掃討。
「さて、塔へのダメージは確実に通っていますが……どうしたものか」
作戦としては、砲台を用いて塔が展開する結界をちょうどよいダメージで破壊していくつもりだったのだが……思ったより時間が掛かりそうだ。
時間を掛けては内部で行われているナニカの阻止ができず、ゲームオーバー。
だが直接内部へ乗り込んでは、混沌の使徒が仕掛けたであろうナニカに引っ掛かる。
どちらにせよ、それを何とかしようと砲台で攻撃しているのが現状。
ただの的外れな考えで済めばいいのだが、これは『SEBAS』も同意している。
《ピンポイントでは無いにせよ、すでに星敵たちを個別に転移で拉致してくるような相手です。旦那様はそんな相手から怒りを買っている現状ですので》
「……何かあるんですよね、絶対。勘というか経験則が言っているんですよね」
それでも星敵たちが攻撃してくれているお陰で、結界は着々と剥がされつつあった。
内部への侵入も、もう間もなくできるようになる。
「──『生者』、来たぞ!」
「……おお、ついにですか」
ダメージ量が一定に達したからか、怪物たちを一定数屠ったからか。
……あるいは、こちらを見ていた混沌の使徒が準備を終えたからかもしれない。
塔の周りに展開されていた結界が、ボロボロと崩れ落ちていく。
そうなれば当然、内部への侵入も可能になるわけで……っと、もう行ったか。
『──ギャアアア!』
「……もう逝きましたか」
「すぐに蘇生薬を使ってくる」
「ええ、お願いします」
現場の方ではすでに大量の蘇生薬が消耗されているので、予備を渡していた『修羅』が代わりに届けに行ってくれた。
そうしている間にも、変化はどんどん続いている。
なぜ星敵がすぐに出てきたのか、その理由は単純──圧倒的物量に圧されたから。
それは数、という意味ではない。
それはたった一つ、人族にも魔物にも大抵の生物には付いているであろう物。
「──とても大きい舌ですね」
巨大な建物や怪しい空間を見て、その入り口を文字通り口と称することはある。
だからだろうか、塔もまたその入り口が口として形成されているようだ。
「だからと言って、本当にやらなくてもいいでしょうに……さて、どうしたものやら」
食べられること自体はそこまで気にしていないのだが、その舌にあっさりと星敵が撃退されたところに違和感を覚える。
──だからこそ考えなければならない、効率よく急いで目的を達する方法を。
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