虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、冒険を求める

貢献イベント その16

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「ここだ」

「うぉおお!」

 年甲斐もなくはしゃいでしまったが、今回ばかりは反論できない。

 ──なぜなら、夢のように望んでいた光景が目の前に広がっていたからだ。

 とても逞しい木々の上に家々が並び立つ、現実ではありえない幻想的な風景。
 太い枝が木々を繋ぐ橋となり、人々はその上を渡って生活を行う。

 そして、そこに居る人々はすべて──耳が少し尖がっていた。

「オレたちの隠れ里だ。余所者を入れること自体は禁止されていないが、そもそも案内したいという意思が無ければ、霧の中で追い出すことができるから警備は薄い」

「なるほど……そういうことであれば、本来私は追い出されていた、ということですか」

「フリュが考えを改めていたからな。弱いのに強い、普通ではありえない存在がここに来て何をしたいのか……あとでぜひ教えてほしいものだ」

「はい、そうします」

 そう、この地はエルフの住まう場所だ。
 程好く光が木々の隙間から差し込み、とても写真映えのするでもある。
 そのせいで、SS機能スクリーンショットをずっと使用しなければいけないよ。

 ……って、そこはどうでもいいか。
 ここならばプレイヤーもそう簡単には近づけないだろう、と思って来たのだ。

 すでに座標自体は上空からの撮影で把握していたのだが、霧に何か特別な仕掛けがあると思い、自分の足で行くことを決めていた。
 だからあの男に会った際、普通に会話でここに来れるかを交渉しようと思っていたんだが……いろいろとあったな。

『キキィエ!』

「おっと、そろそろオレは行くぞ。だがお前はまず、里長の場所に行くべきだ」

「里長ですか……その方はどちらに?」

「あそこの一番高い木にいる。下の根の辺りに居る奴に話をつければ、お前でもすぐに会えると思うぞ」

 指で示された場所には、たしかにこの里で一番大きな木がそびえ立っていた。

「わざわざすいませんね。次会った時には、フリュ君に食べ物でも作りましょうか」

『キィエエエ♪』

「嬉しそうだな。……言っておくが、フリュは雌だぞ」

 そう言って、男は自分の家へと去った。

 えっ? そうだったのか?
 鳥の雄雌は、種類によって見分け方が違うとかそういう話もあるが……いくらなんでもファンタジー系の鳥の見分け方は知らないしネットにもない。

 いつかゲームでも、よくある動植物図鑑的な物を作ってみたいな。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 さて、男の言う通りに行動をすると、本当に里長に接触できた。
 目の前には超絶カッコイイエルフがおり、ちょうど今、話をしていた。

「久しぶりの客人だが、君のような者はなかなかいなかったよ。頼み事、だったね?」

「はい。しばらくの間この地で体を休めたいのですが、何もしないというのも……その、落ち着かないので」

「……そうか。客人の願いだ、可能な限り探してみるが……どんなことでも良いのか?」

「えぇ。手段を選ばなければ・・・・・・・・・、大抵のことはこなせますので」

「では一つ、客人を試しても良いかね?」

 すると、目の前にいつものアレが──。

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