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DIY、監獄ライフに勤しむ

脱獄計画 その14

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 男だけどメイド……じゃない、『冥土』な宗教関係者に神殿についてご説明。
 あえて混沌の使徒の神像を設置し、そこ以外での干渉を困難にするよう細工をした。

 ただし、その分だけ神殿への干渉が強く、そして酷くなるのは当然。
 あらかじめ想定していたことなので、対策の方もバッチリである。

「──とはいえ、ここまでとは……」

『今回もこちらで処理を済ませます』

「ああいや、今回は俺が行く。ちょっと、確認したいこともあるからな。閉じ込めておいて待機してくれ」

『畏まりました』

 エクリとの連絡を終えると、俺は溜め息を吐いてから神殿へ。
 ここ最近よく発生するトラブル、その対処のために街の外へ出ていった。

「よう『生者』、死ね!」

「ははっ、元気で何よりです」

「おうよ、だから死ね!」

「いえいえ、お断りですよ」

 お互いに朗らかな笑みをしつつ、行われる殺し合い──もとい一方的な惨殺。
 相手の星敵も星敵で、報酬を得るために殺そうとしてくる……が死なない。

 だからこその『生者』。
 簡易セーブ石を座標として、死に戻りを繰り返してこの場に戻る……そこに制限数など無く、一歩一歩着実に神殿へ近づいている。

 当然、それを阻むように執拗な攻撃が行われるのだが、そもそもダメージ量に問わず死亡している結果が変わらない以上、俺に変化は無い。

 地形への影響だけは少々困るが、足元には自動で結界の足場が展開されており、やはり阻むには至らない──神殿が展開する結界に触れた時点で、ピタリと攻撃が止む。

「チッ、今日こそ行けると思ったんだがな」

「残念でしたね。それでは、次こその成功をお祈りしております」

「くそっ、覚えてやがれ!」

 星敵たちと話し合った結果、神殿の中もまた中立区域として設定された。
 実際には破壊可能で攻撃不可能などは無いのだが、そこはお約束というもの。

 なお、破壊行為が発覚した場合、他の星敵と共に容赦なく襲う。
 ……報酬に食べ物を用意すれば、大抵のヤツは釣ることができるぞ。

「入って分かるこのヤバい感じ……今回も懲りずにやってきたか」

 神殿に近づけば近づくほど、禍々しい背筋がゾクゾクする感覚に襲われる。
 目玉姿だった混沌の使徒では、感じ取れなかったヤバさだ。

 ……混沌の使徒が弱いわけでは無く、そちらの方がヤバ過ぎるからこそ。
 圧倒的な力ゆえに感じ取れず、ほどほどである今回が読み取れたわけだな。

 ──そう、今回現れたのは混沌の使徒の使徒、つまり使い魔のような存在だった。

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