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DIY、監獄ライフに勤しむ

監獄生活 その28

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 いろいろと情報を渡したら、依頼を受けてくれた情報屋。
 蘇生薬と万能薬まで提供したので、失敗をすることは無いはずだ。

「では、依頼内容ですが……まずは星敵たちの情報ですかね。得られる情報は何でも、それこそ趣味嗜好から権能まで」

「高くつく……と言いたいところだが、これら以上に支援をされるのはな」

「おや、これでは足りませんか?」

「…………不要だ」

 蘇生薬と万能薬だが、セキュリティとして条件付けをしてある。
 他者に使用することはできず、あくまで自分のみ……そうじゃないものも少しだけ。

 また、一定期間が経過すると自動的に消失する仕様だ──『プログレス:トラッシュクラッシュ』、前に一度試したことのあるので再度使用してみた。

 セキュリティの方もそれの応用。
 一定時間やら他者への使用など、特定の条件を満たした場合に起動して壊れるという厄介な仕掛けなわけだ。

「さて、情報屋さん。それ以外にも一つ、求める情報があるのですが……」

「ああ、この扉か」

「はい。これほどまでにあからさまに置かれていますと、疑って当然ですよね」

「……それなりに感知のスキルを磨いているが、絶対に入るなと警鐘を鳴らしているぞ」

 情報屋と待ち合わせたこの目立つ場所。
 あえてここに来たのは、そういった目的もあった……斥候系のビルドだろうし、かなり信じられる情報だな。

「では、そちらの情報をお願いします」

「……自分の命に関わる依頼は、受けないようにしている」

「もちろん、無茶をしろとは申しません。先ほど渡した蘇生薬と万能薬の他にも、いくつか交渉材料となり得るものを支援物資としてお送りしましょう。それをやりくりして、どのような形でも情報を得てください」

 要するに、また別の星敵を雇って見てきてくれればいいということ。
 情報屋にはリスクは生じず、死に戻りが発生するので星敵も納得さえすれば問題無し。

 それに見合うだけの価値がある対価は、万能生産チート:DIY:様がお手軽に用意してくれる……毎度のことながら創造神様、ありがとうございます!

「『プログレス』に関しましては、星敵では使用できないはずです。そちらも含め、調査していただけますと幸いです」

「……いいだろう。これに関しては、暴き甲斐を見いだせたからな」

「それは何より。ただ、自分で使う際はご注意を。この監獄は、星敵を収容する場所。そうでないものがどうなるのか、まだ分かっておりませんので」

 星敵が共有して有するもの、それは権能。
 人型でもそうでなくとも、何らかの形で常人が持ち得ぬナニカを有しており、そこに送られる追加リソースがその正体。

 だからこそ、リソースを供給する枠そのものと密接に関わる『プログレス』とどう反応するのかまだ未知の状態……人体実験は、あまり好きじゃないからな。

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