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DIY、監獄ライフに勤しむ

監獄生活 その27

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 レベル999がもたらす情報。
 それを対価に情報屋を買うべく、先払い分の資料を読ませる。

「……本物だな」

「おや、お分かりになるので?」

「とぼけるな。あからさまに情報を隠匿しておいて。まあいい、アンタの持つ情報に価値があることは理解しよう」

「ありがとうございます」

 価値はある、だがそれが星のもたらす情報に勝るかはまた別の話。
 現状維持と寝返りと、どちらが利になるのか向こうは天秤に掛けている。

「資料を読み解くだけでも、アンタの保有するであろう戦力の恐ろしさがよく分かる。あの人形、エクリとか言ったか? アレと同等のヤツかそれ以上のヤツがたくさんか」

「さて、それはどうでしょう。エクリは私が一から手掛けた最高傑作、彼女ほどの存在がそう多く居るとは思えませんが?」

「…………」

 沈黙しつつもこちらを見て、考えを加速させている。
 そりゃあ予想通り、人造ユニーク種とかいろいろやっているからな。

 資料に書いたのはそちらの関係。
 星の恩恵を利用し、意図したデザインで生み出す星の使い──そしてその転用、そこから派生する可能性の一端だ。

「それとそうですね……よろしければ、こちらの方もいかがでしょうか?」

「? なんだ、それは……」

「ああ、ご存じないので。これはここ最近、休人……いえ、星渡りの民と共に誕生した簡易的な権能の発現装置──『プログレス』、と呼ばれる代物です」

「権能を!?」

 本来、権能なんて代物は最上位の職業やら『超越者』のような特殊な存在にのみ与えられる、埒外の能力だ。

 どうやら星敵として封印されたのが、今より前だからか『プログレス』を知らないみたいだ……俺の持つ『プログレス』の雛形を、ジッと見て解析を行う情報屋。

「…………なんだこれは、まったく分からないものなんてこれで五つ目だ」

「それなりに多いですね。こほんっ、それはある神話の主神様手ずから、情報を隠匿しているとのことですので」

「…………信じられない。これを、星では無く神が……」

 星と神、どちらも凄い存在のように思えるし実際そうなのだが、実は格の差がある。
 とはいえ、できる分野的にそれぞれの特異不得意があるだけなのだが。

 命を育むなど、そうした関係のことはやはり星の方が長けている。
 逆にそれを奪う、また育まれたものに手を加えるのは神の方が上手いとのこと。

「いったい、どこの主神様が……」

「それはまた、別の情報ということで。どうですか、引き受けていただけますか?」

「…………こちらも危ない橋を渡る以上、ただ求める情報だけというのも」

「支援は随時行いますよ。そうですね、差し当たってまずは蘇生薬と万能薬を……」

 それからしばらく、物資の説明に若干辟易としていた情報屋がこちらの言を遮り依頼を受けてくれた……うむ、まあ受けてくれるならそれでいいんだけど、何だか不服。

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