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DIY、監獄ライフに勤しむ
監獄生活 その25
しおりを挟む星敵たち同士で牽制し合いながら、俺に繋がる情報源であるエクリを狙っていた。
酒場という王道スポットにて、エクリはある星敵へメッセージを送る。
『──指令を全う致しました』
「ああ、ありがとう。さて、それなら俺も準備をしますか。エクリもエクリで、例の件を任せるぞ」
『畏まりました』
と、エクリへ伝言を残して俺は彼女との接続を落とす。
そして、自分の今居る場所を確認……星敵がいつの間にか、ということは無かった。
「『SEBAS』の監視網を潜り抜けて、来るようなヤツは居ないか……それじゃあ、それらしい振る舞いをしないとな」
エクリがある星敵に送ったモノ、それは俺がこれから向かう場所の座標。
独りで来るように、と書いてはあるがもしかしたら集団で来る可能性もあるからな。
今の拠点から少し離れ、この監獄でも怪しいと睨んでいる巨大な扉の付近へ。
脱獄……とは関係無いはず、わざわざ出れるような場所を作るわけないだろう。
「ま、それは後で考えればいいこと……それよりも──早いですね」
転移して訪れたそこに、しばらくして現れた星敵。
それは、エクリが擬似使い魔を送った星敵であり──顔を合わせたことの無い人物。
「お越しいただき、誠にありがとうございます。御独りで、というお願いも聞いていただけたようで」
「……そんなことよりも、アレは本当のことなのか?」
「ええ、嘘偽りを申したところで信じてはいただけないでしょう? こちらからの誠意、それがあのメッセージです」
「──『星の神秘を暴く』、それができるならわざわざアンタを殺る必要も無くなる」
エクリ曰く、先の三連試合においても外へ出ることは無く、それでいて街の防壁の上からしっかりと情報収集のみは果たしていたという星敵。
強者の驕りは無く、認識阻害でこちらに姿は晒さず。
ただそこに居るという認識だけをこちらに与える誰かに、俺は賭けてみた。
まあ、違っていても別に困らないし。
エクリが街を訪れてから、視線を向けずに情報を集めていたという特殊性を鑑みて、とりあえずで試してみただけだ。
「私の信用する情報屋が、ある方のことを一度話してくれまして。世界を股にかけ、どんな情報でも手に入れていた謎の存在。だがある時、星の秘密を探るという言葉だけを残して消えた……そんな方が居まして」
「……」
「貴方がそうなのか、そこは知らなくてもいいと思っています。ですが、私の餌にあえて食らいついてくれた貴方に、ぜひとも依頼をさせていただきたく」
星敵が俺を狙うのは、それを果たした後に報酬が与えられるから。
ならば、それ以上のものを与えれば……寝返ってくれると信じよう。
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