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DIY、監獄ライフに勤しむ
監獄生活 その01
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滅亡世界へと誘われ、【星賢者】と邂逅した俺。
少々のやり取りを経て──星の仕掛けた罠に囚われる。
「……」
気が付けばそこに、空があった。
太陽は燦然と輝き、澄んだ青色が一面に広がっている。
「空……迷宮か?」
すでに滅び、亡んだ世界。
荒廃した世界に青空など存在しない──思いついたのは、一種の亜空……擬似的な世界の中に居るというもの。
「『SEBAS』……ダメか。まあ、これはいつも通り──『セバスチャン』」
仰向けになって目を覚ました俺は、すぐさま行動に移る。
情報を得るためドローンを飛ばしつつ、頼れる執事に向けて連絡を行う。
何度か経験している回路の遮断も、閉ざしている理とは別の理で抉じ開ける。
妨害されていた回路が『プログレス』により再接続され、頼もしい声が脳裏に響く。
《──旦那様》
「予想通り、妨害されていたな。さて、いちおうの確認だがここは?」
《座標特定──滅亡世界内に構築された星造迷宮『星層監極』、でございます》
「[マップ]っと……うん、情報が更新されているな。ほおほお、層って単語の割には一階層のみか…………って、これはまた脱獄が面倒な迷宮だな」
迷宮から脱出と言えば、思いつくのは核の破壊からなる強制崩壊だろう。
一番最初に踏破した迷宮『幼子の揺籠』もまた、その方法だったわけだし。
だがこの迷宮、一階層しか無い。
おまけにドローンを飛ばして調べても、階層主の居そうな空間や扉、部屋などがいっさい存在しないのだ。
強いて挙げるならば、少し離れた場所に家屋がいくつか存在している。
居住スペースだろうか、それは後で確認しておこう。
「迷宮としては核から成るタイプじゃなく、迷宮そのものが核みたいなタイプか……まあ【迷宮主】の超上位互換である星なら、わざわざ核なんて必要としないよな」
核を必要としない利点は、迷宮全体が破壊されない限り基本的に存続し続けること。
代わりに【迷宮主】では行える管理が困難なのだが、星であれば話は別。
要は【迷宮主】以上の管理能力で、迷宮ごと弄ることができれば問題無い。
俺も【救星者】で同じことができなくもない……が、それでもコストが掛かる。
だからこそ、星同士で協力したのだろう。
そう【星賢者】も言っていたし、そうでもないと理が通らないし。
「さて、そうなると脱出はシンプルに出口へ向かうのが一番なんだが……このタイプの面倒な点は、そもそもとして迷宮のルールが適応されないことなんだよな」
核がある場合、存続に関わるので外部から侵入者を迎え入れるための出入り口がある。
しかしながら、こちらのタイプの場合それが不要になっているのだ。
そりゃあ意図的にしか造らないタイプな上に、存在理由もまた本来の迷宮とは異なる。
……まあこの迷宮の場合、収容される囚人たちからある程度徴収してきそうだけど。
──ともあれ、そんなこんなで俺の脱獄デイズが始まるのだった。
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