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DIY、偽装工作に走る
魔導世界密入 その49
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さまざまな問題を乗り越え、ようやくたどり着いた目的。
アイスプル世界の結界、それを改良していこうじゃないか。
「──」
[ここが改良のための空間だ]
「……あの、大丈夫なのでしょうか?」
「──」
[問題無い。改良に対し、一切の干渉を行わないことは『八大星魔』全員との間で成立した約束事だからな]
「…………分かりました。その言葉を信じ、全力で挑ませていただきます」
術式の改良は、専用の場所で行われる。
そしてそれは他でもない──星の中枢に近い特殊な空間だった。
だからこそ俺は、魔導世界でもっとも警戒すべき存在──魔導世界そのものから何か妨害を受けないかと警戒していた……が、考えても今更なので諦めよう。
バレたらバレたで、また改良をすればいいだけの話。
魔導世界で改良を済ませれば、微調整ぐらいなら他の世界でもできるからな。
「この宝珠に手を当てて、改良したい術式を発動。その後に、改良後の術式を重ねれば良いんでしたね?」
「──」
[そうだ。この時、【改良術師】が補助を行うこともできるが……どうする?]
「いえ、不要です。信頼の問題ではなく、単に実力として不要ですので」
「──」
[そう言うと思っていた。元より、難易度の高い術式には補助が邪魔になることが多い。制御に努めるとしよう]
この場には俺と『必要悪』だけ。
本当なら【改良術師】という改良術式を発動する存在が必要だが、『八大星魔』全員がそうなので誰か一人居れば問題無かった。
今回、一番お世話になった『必要悪』にそれを頼んだのは……『SEBAS』がそうした方がいいとアドバイスしてくれたから。
《『必要悪』は迷宮に潜伏する、犯罪者たちすべての術式を把握しております。それはすなわち、魔導世界における多様な術式をある程度理解しているということです》
他の『八大星魔』は、『愚かな賢者』を除き術式の各分野におけるスペシャリストだ。
そのため一点に特化しており、それ以外の分野が並ぶことは無い。
だが例外である『必要悪』は、言わばゼネラリスト──広く理解している。
だからこそ頼んだ、その方が良いのだろうと信じて。
「それじゃあ、始めましょう……:DIY:開始」
「──」
[改良術式、起動]
宝珠に二人で手を当てると、それが淡く光り出す。
そこに結界の術式を籠めて、莫大な量の魔力を解き放つのだった。
◆ □ ◆ □ ◆
《旦那様が接触することで、こちらとの接続が可能であることは分かっていました》
…………。
《魔導世界『マジカドォル』様、短い時間ではありますが交渉の方をさせていただく》
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