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DIY、偽装工作に走る
魔導世界密入 その48
しおりを挟む一時的に『真海の主』と共闘し、これまでの共闘相手だった『覆魔殿』を追い出した。
必要だったのはアイスプルの海水だけ、割とお手軽なやり方です。
「お疲れ様です、『真海の主』様…………あの、『真海の主』様?」
「この海水、凄まじいな……『生者』よ、これはいったいどこで?」
「そうですね……せっかくですし、ご説明しておきましょうか」
今回ここを訪れたのは、一番が結界の改良だがそれ以外にもある。
せっかくの機会なのだから、アイスプルや失名神話の宣伝も兼ねていた。
「──というわけでして」
「なるほど、それはつまり誰も手を付けていない原初の海……ということか?」
「ああいえ、私たちの方でそれなりに手を加えていますよ。ですがまあ、汚染などに関しては皆無と言えましょうか……まだまだ未開の地ですので」
「生産世界と呼ばれる世界と同様か……あちらはすでに、機械技術の発展から毒素が流出しているとのことだが」
休人たちの知識流入によって、科学技術が多くこちらの世界に伝わった。
もともとそれなりに存在はしていたが、それに加え創作物の知識も混ざっている。
結果的に、科学と魔法が混ざっているような技術──魔学が新しく誕生したんだとか。
……ただ、だからこそだろう問題もまた、発生している。
「魔学毒ですか……」
「……」
『あー、アレ嫌いなんだよねー。精霊との相性が最悪。魔力がある分、余計に性質が悪いから使わないでほしいよー』
そう、現実世界でも発生してしまう公害。
一部の魔学において、生み出される成分は精霊にとって嫌悪感を示す代物だった。
改善は少しずつされているようだが、初期に休人たちがバンバン魔学の産物を求めて大量に生み出してしまい……その結果は言わずとも分かるだろう。
幸い、アイスプルではそういったこともなく天然の海は基本そのまま。
また、事前に『SEBAS』が迷宮で確認してくれるので公害なども心配ない。
「……どうだろう、一度そちらへ招いてはもらえないだろうか?」
「……」
『はいはーい、私たちもでーす!』
「──」
[興味はあるな]
三者三葉、だが内容は同じこと。
ある程度手伝ってもらっている以上、俺が拒否することは許されない……項垂れるように、首を縦に振るのだった。
◆ □ ◆ □ ◆
──術式の改良。
本来の目的はそれだが、まだ未だに成し遂げられていない。
術式の改良案自体は出来上がっているが、専用の術式や触媒が必要になるからだ。
そして今、必要なモノがすべてこの場に。
さぁ、術式の改良を始めようじゃないか。
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