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DIY、偽装工作に走る
魔導世界密入 その46
しおりを挟む模倣した『真海の主』の術式を、改良と改悪を重ねることで超えた。
完成した術式と共に、どうにか眠らせて封殺することに成功する。
「さて、どうしたものか……」
「『生者』、よくやったな」
「『覆魔殿』様……」
「ふむ、警戒を緩めぬか。まあ良い、これで終わりだ。その女をこちらへ」
結界で重力を反転させ、『真海の主』を抱き抱えていた。
そこに『八大星魔』たちが集まってくるのだが……何やら不穏な流れに。
「はて、それは何故?」
「責任を以って送り届けておこう。『生者』ではこちらの世界を渡り歩けぬだろう」
「……たしかにその通りですね。しかし、それは他の方でも構わないのでは? 同じ女性同士ということで、『界樹の神子』様にお願いするということでは……」
「ハァ……分からぬはずがなかろう? 魔導士だけでなく、強者というものは宝そのものだからな。隙を見せれば奪われる、そしてそれが今だ」
これまで俺に協力していたのは、すべてこの時を待っていたから。
ここまで行かずとも、『八大星魔』の誰かが弱ったら襲っていたのかもしれない。
「自分で言ってしまうとアレですが、こちらはまだ三人居ますよ?」
「その通りだ。だが、たった三人と言っても良いだろう。何より、時間はあったからな」
『──!』
周囲に巨人が突然現れる。
ただの巨人ではなく、その体を構築するものがすべて魔法だ。
要するに擬似生命体……そして、その正体は──『覆魔殿』の権能。
「術式の擬似生物化、それが『覆魔殿』様の権能でしたね」
「ほう、詳しいな。たしかに、星渡りの民にも見せていたか……情報が漏れたか」
「晒しても対策ができないからこそ、ではありませんか? しかし、相手が『覆魔殿』様であれば──“ブラッシュダウン”」
「無駄だ、対策はすでに──ッ!?」
術式にいくつか細工というにはレベルが高過ぎる隠蔽が増えていた……が、それでも筆が描く干渉に巨人たちは崩れていく。
こちらの世界の術式は複雑で、未知のモノも多い……だが魔法を原型とした術式に関しては、他の世界でも多く使われている。
「申し訳ありません。魔法に限り、すでにほぼすべてを網羅してあります。隠蔽もまた、こちらの世界では先ほどたっぷり経験をさせていただきましたので……」
「……見せられる範囲では、これが限界か」
「それに──お目覚めです」
今回は片手で筆を使っていたので、もう片方で『真海の主』への対処を進めていた。
魔力を練れないよう魔道具で拘束し、そのうえでポーションを飲ませた。
劣化させたとはいえ『死天』謹製、なので飲ませたのも万能薬の劣化無しバージョン。
その甲斐もあり、先ほどまで動かなかった『真海の主』もぱっちり目を開ける。
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