虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、偽装工作に走る

魔導世界密入 その44

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 術式を解析する『騎士王』の術式、そして『ワイズマンブラッシュ』で『真海の主』の人工海生成の術式を模倣することに成功。

 そして現在、“模倣術式01”こと『愚かな賢者』の重力術式を“千変宝珠”に乗せて絶賛攻撃中。

 対する『真海の主』は人工海生成の術式で海を増やし、攻撃を相殺しつつ操作可能な海の量をどんどん増やしていた。

「……来ますか」

『──『生命の海』』

 人工と言えど海は海、『真海の主』の権能の対象となったそれはただの人工海水から大きく変化──命溢れる海と化し、生み出された海の生き物が俺に襲い掛かる。

 そして、相殺されていた“模倣術式01”が生物にぶつかり効果を発揮。
 局地的に発生した重力が脳に負荷を与え、強制的に気絶状態に持ち込んでいく。

 海水が道を作り、そこを通って生物は泳いでくる。
 魚だけでなくイルカなどの哺乳類など、要は海に生きる存在が生み出されていた。

 攻撃に使っていた魔力球が一転、向こうの攻撃を防ぐためのものになってしまう。
 そして、無駄な海水の消費が減ったためあちらの準備はより速やかに進んでいく。

『──『魔の海』』

「! 魔物ですか……」

 海の色が変化し、青色が澄んだものから仄暗いものへ。
 そこから現れる生き物もまた、ただの生物から魔物へと変化していた。

「──“星攻化身”」

 これまでは使わないでいた、星具の手袋の能力を行使。
 向こうの代わりに、こちらが一般的な魚などの海の生き物を生み出して向かわせる。

 俺は海を創っていないが、魚たちはまるでそこに海があるかのように泳いでいく。
 ……まあ、俺のは星の力で作った擬似生物なので何でもありなのだ。

 ただし、消費がかなり酷い。
 ここが敵対関係(?)にある魔導世界だからか、普段よりもかなり……そこまで長く持たないと思いつつ、ポーションを再度補給。

《旦那様、どうやら“星辰精意”は使用できないようです》

「……まあ、対策はされるか。仕方がない、真っ当に行くしかない」

 今回、俺はあえて“孤独蟲毒”を使うことなく戦っていた。
 相手が開発者と同じ『八大星魔』であることもそうだが、手札を隠しておきたいから。

 ゆえに取るべき選択肢がかなり絞られている……それでも多様な方法が選べるのは、ひとえにこれまでやってきたことのお陰だな。

「さて、賭けといきましょうか──“神持祈祷:ワイズマンブラッシュ”」

『!』

 右手に筆、左手にも筆。
 やっていることは異常だが、それでもやることに意味がある──“模倣術式03”を展開し、その賭けを行うことのだった。

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