虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、偽装工作に走る

魔導世界密入 その30

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 地面から生える剣で注意を引きつけ、空で作り上げた武器による奇襲。
 多くの休人がそれに引っ掛かり、突然の攻撃に混乱する。

「──っておい、全然ダメージが無いぞ!」

 だが、一人の休人がそれに気づいてしまったからさあ大変。
 いくら魔力が多く器用さが高くとも、武器自体にそこまでの性能は無い。

 何より、いっさいのスキル補正が乗っていない状態なのでただ降ってきているだけ。
 なので、これはある意味コケ脅しのようなもの──本命はここから。

「──“神持祈祷:サウザンドエッジ”」

 霊体化の『プログレス』を解除し、お次に展開したのは刃の『プログレス』。
 名前の通り、千の刃を生み出し操れるというものだが……ちょっとした裏技がある。

「──“ダンシングエッジ”」

 俺がその名を告げると、ただ垂直に降り注いでいた武器に変化が生じる。
 簡単に防げていた武器の軌道が、突如変わり防具の隙間を狙うようになっていった。

 脆弱な攻撃と笑っていた者たちも、これにはだんだんと焦りだす。
 また、『貧弱な武力』と『闘匠』の効果でダメージが1は確定かつ防御無視だ。

《全武器を操作可能状態に指定──こちらで代行いたします》

「ああ、頼む」

 実は“ダンシングエッジ”、自分で生成した刃物なら何でも対応していた。
 もともと起動した際に刃が生成されるという仕様なので、その辺が雑だったのだろう。

 結果、切断に足り得る切っ先が武器のどこかにあればそれだけで使える。
 その定義も曖昧なので、鎚や弾丸といったもの以外なら割と広く指定可能だ。

 なので大半の武器はそのまま、そうじゃなくともイメージの過程で少し刃の要素を足してやれば簡単に対象に入れることができた。

「このまま集中して攻撃されれば、結局削り切られて死ぬわけだが──そりゃあ防御も簡単だし、普通やるよな……来たか」

《人形たちが代理を務めます、旦那様は戦線へ赴いてください》

「陽動は任せたぞ」

《お任せください》

 そう、こうして攻撃を続けていれば俺がここに居るとアピールできる。
 別の場所で暴れるまでは、少なくともそう思い込ませられるだろう。

 あえて目立つようなことをしたのも、それが目的……うん、安易な考えじゃないのさ。
 すでに錬産術も虚工術も、擬似的にではあるが再現可能な技術にしてあった。

「それじゃあ、まずはあそこだな」

《座標指定──転位を実行します》

 視界を媒介に飛ぶ転移ではなく、座標を指定しての転位で向かう場所。
 今の場所からは把握できないそこは──

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