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DIY、偽装工作に走る

魔導世界密入 その28

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 休人、そして『八大星魔』を含む魔導士。
 彼らの侵攻に対抗することを決めた俺は、さっそく取り掛かることに。

「始めるとしますか──『インストール:タクティクスボード』」

 擬似的に起動するのは、誰かが編み出した戦略表示の仮想板。
 把握している限りの情報すべてが、そこには記されている。

 本来の使い手がどう扱っているかは分からないが、俺の場合これは情報整理に使えた。
 やること自体は『SEBAS』が纏めてくれるので、俺に必要なのはそれを知ること。

 何が起きているのか、そしてもっともしぶとい駒として何をすべきなのか。
 指揮官としてではなく、あくまでも生き残るために……情報を掴む。

「──“神持祈祷:ゴーストボディ”」

 霊体化する『プログレス』。
 物理攻撃を無効化する反面、魔力に対して脆弱になってしまう。

 だがそもそも簡単に死ぬ身、デメリットがデメリット足り得ない俺だからこその利点。
 不都合を取り込んだうえで、それでもこの『プログレス』を選んだ意味。

「情報を集めるならやっぱこれか──“ゴースティング”、“フィッシング”」

 名前の通り……ではない。
 それは、FPSなどのオンラインゲームで用いられる単語だ。

 反則行為で知られる、本来の視点では認識不可能な場所を捉える“ゴースティング”。
 そして、相手を特定の場所まで引っ張ってくる“フィッシング”。

 実際の意味とは若干異なるかもしれない、だが『プログレス』の能力としてこうだ。
 本人の認識、そして捧げられた糧──魔石など──によって構築されたもの。

「それじゃあゴースト諸君、任せたぞ」

『!』

 当人の認識の影響だろう、なぜかサバゲ―などでよくあるギリースーツ姿の霊体たちに命ずると、敬礼をした後ここから消える。

 移動した方向は『タクティクスボード』に表示され、そこに彼らの視界も映っていた。
 能力の合わせ技、本来コネクトシステムが必要なそれも俺だけは可能だ。

「……二人で共有できるのも、ある意味裏技みたいなものだけどな。その辺、どうやらこの『プログレス』は拡張要素として組み込まれているみたいだし」

 要するに、頑張って特定の魔石を注げばできるようになるようだ。
 ……俺には不要だが、レイドボスなどに使いたいなら頑張ってくれ。

「! 接触したな……こいつらが──ってすぐに切られた」

《旦那様》

「ああ、さすがに分かったよ。対処も適格だし、さすがは『八大星魔』だな」

 一瞬だけ映像として映し出された美男美女たち、周囲の魔導士たちが敬っていた存在こそが『八大星魔』だったのだろう。

 その中には、多世界で行われた闘技大会に参加していた『真海の主』も居た。
 要するに、主戦力が完全に戦線へ来ているわけだ……本当に面倒だな。

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