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DIY、偽装工作に走る
魔導世界密入 その14
しおりを挟む侵入困難な迷宮『求まれぬ道』。
そこへ手段を見出す鍵は、『プログレス』にあると見た俺と『SEBAS』。
「じゃあ、やってみますか。、インストール──『ダンジョンアタッカー』」
《インストールを実行──成功しました》
「起動──“ダンジョンレーダー”」
とある迷宮好きの休人が発現させた、それに特化した能力。
それ以外の一切に使えない代わりに、関することならばほぼ万能で扱える。
今回発動したのは、周囲に存在する迷宮の詳細な場所と入り方を暴く能力。
ゲームでよくある条件付きの迷宮、それすらも詳らかに開示させるようだ。
「本人のこだわりのせいか、あくまで条件が分かるだけで達成自体は自分で満たさないといけないのが面倒だが……まあ、その辺は仕方が無いと諦めよう」
《──確認終了。残念ながら、この空間には存在していないようです》
「上手くいけば、そのまま都合よくどの領域の『八大星魔』とも関わらなくてよかったかもしれないのに……まっ、諦めよう」
創作物ならば、と思ったが……現実もとい自分がやる場合はこんなものか。
まあ、冒険世界だと意外とあっさり暗躍街に行けたが、その時と違うモノも多い。
「意外と『冒天』の効果もあったのかもな。考えてみると、ご都合主義というか巻き込まれることが多かったし……」
《『冒天』の効果もそうですが、あちらの場合はやはり──》
「……ああうん、『騎士王』だろうな。アレはアレで、存在というか運命力というか……そういうナニカが凄いんだろうな」
うちの家族と同じで。
そうでもなければ、子供の内からとんでもイベントに巻き込まれるようなことにはならないはず……間接的に関わっているぞ。
俺も俺で、ルリと出会ってからはいろいろあったが……あくまで、ルリ関係の時だけ。
仕事で大きなトラブルとか、創作物みたいな展開にはならない──うん、いいことだ。
「魔導世界の場合、『術天』ってのが同等の存在なんだっけ? 該当する休人の情報、開示されているか?」
《いえ。魔導世界は情報の秘匿が多く、存在は不明です。秘匿そのものが術式の強化に繋がる影響もあり、自らに関する情報を外部に漏らさないようです》
「まあ、出すにしてもそれが無価値になってからってことか……協力は得られないにしても、どんなことをしているのかぐらいは気になったんだがな」
そうこう言いつつ、移動を開始する。
ここに無いと分かった以上、目的地がどこにあろうと必ず外に出なければならない──そう、『八大星魔』の領域へ。
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