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DIY、偽装工作に走る

魔導世界密入 その07

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 魔導世界の基礎情報をおさらいしてみた。
 やっぱり、自由気ままな『愚かな賢者』は一際異質なのかもしれない。

「まあ、確認されていない七つ目の領域については後回しにするとして……六つは全部、分かっているしな──座標って意味だと、分からないものもあるけど」

 六つの領域、その中で座標が固定されているのは四つ。
 残りの二つは点々と場所を変え、その都度移動手段も変わってしまう。

 ……まあ、魔導士は扱う術式は違えど果てに転移系は存在しているようだし。
 それ専属の転送屋なる存在も、魔導世界には存在しているとのこと。

「魔法王国、魔術公国、魔装皇国、森羅樹海が判明している領域。天空学園、遷海国家が移動する領域だよな……それぞれで、異なる目的を目指しているんだっけ?」

《はい。魔法王国、魔術公国、魔装皇国はその名が冠する術式を極め、森羅樹海は精霊術や呪術を主として扱っております。天空学園はバランスよく研究を、遷海国家では術式以外のものを主に調べているようです》

「ある程度方向性が決まっているわけだ。俺は今回結界の改良を求めて来たわけだが、行くとしたらどこなんだ?」

《結界の術式そのものは魔法陣による刻陣ですので、魔法王国か魔装皇国へ行くのが最短でしょう。しかし、それ以外の術式に新たな可能性を見出すこともできると思われます》

 俺の扱う魔法は、大半がレベルカンスト特典の鑑定拡張情報か、『グランドマロット』の能力で発動可能な魔法によるものだ。

 そこにそれ以外の術式は含まれない。
 それはなぜか……単純な話、魔法以外が対象になっていないからである。

 魔法、魔術、魔装と単語が並ぶがそれらの大きな違いはその根幹。
 魔法は世界がもたらしたシステム、魔術は人の神秘、魔装は人の歴史。

 正確には少し違うのだが、その辺は俺もよく分かっていない。
 ただ、どれもスキルとして存在している以上、広義の意味では同じ術式なのだ。

《より高度な術式を知りたいならば王国へ、現在の術式を改良するのならば皇国へ、新たな手段を加えるのであればそれ以外の国へ。旦那様の選択が求められます》

「うーん、たしかに悩むな……いやまあ、いずれにせよ向かった先で襲われることは間違いないんだろうけど。うん、たぶんそこ担当の『八大星魔』に狙われるだろうな」

 自分の領域で争いごと、ましてや自分の同族と他世界の強者(最弱)が戦うとなれば被害は甚大……そうならないよう振る舞うのは必然だ。

 むしろ、誰かに任せてもいいことなんて一つも無いはず。
 だからこそ、俺もどこへ行くのかは慎重に選ばないとな。

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