2,138 / 2,794
DIY、偽装工作に走る
第二回プレオープン その04
しおりを挟むどうやら初めての揉め事が起きたらしい。
人形たち、そして『SEBAS』の連絡網からその報告を受けた俺は、さっそくその対処を始めることに。
「さて、モニターは……ここだな」
都市にはいくつか、監視カメラのような物が設置されている。
大半はまんま機械式、そして一部魔力関係の仕掛け付きのカメラ擬きだ。
先ほど連絡を受けた場所、その付近に設置されたカメラにアクセス。
俺の居る場所──指令室で、現場の映像を確認してみる。
「うわぁ……壊れてるな。まあ、修復自体はすぐにできるけどさ」
都市の中で戦闘行為は行えない。
それは法的な拘束力だけでなく、都市規模で展開されている魔法陣が一定規模以上の攻撃魔法を抑制しているからだ。
例外は[PvP]の展開など、その術式を阻害できるナニカを使うこと。
──そしてシンプルに、レベルを上げて物理で殴ることで破壊行為が可能だ。
「タクマが選んだだけあって、それなりに強い連中だったってことか……身体強化、それに『プログレス』の強化でやったわけだ」
ロマン武器云々で取り合いが起こったことで分かると思うが、現場は武器屋である。
共に戦闘職だった彼らは、周囲の抑えも振り払い戦闘を始めたようだ。
いろいろと疑問はあるが、それを調べるのは今では無い。
重要なのは街を壊すレベルで暴れているということ──それを防ぐ準備もしてある。
「まずは人形が足止め。警備兵、という形にしてあるんだが……無理そうだな」
それっぽい制服を着こむ人形たちが、戦いに介入し鎮圧を図る──だが二人は人形に強い攻撃を行い、彼らを尽く破壊していく。
……いちおうレベル200──普通の原人の中でも最高峰──に対応できるぐらいに、整備はしてあったんだがな。
「さすがは休人、その中でもジンリの恩恵無しでもやっていける連中ってわけか……それじゃあ、お手並み拝見といきますか」
そんな彼らの無双を終わらせるべく、現れたのは一体の人形。
これまでの人形よりも華美な衣装を身に纏い、さながら隊長格という風格を放つ。
『──“万闇統一”』
周囲を覆う黒い影。
すでに光が消えたその一画において、その現象は凄まじい強さを発揮する。
隊長格──エクリが振るったその影は、瞬時に休人たちを拘束。
しかし彼らも何らかの能力を発動、影を引き千切りエクリへ攻撃を行う。
「向こうも向こうで、かなり強いからな……見せしめに使うか。あーあー、エクリ。アレで周囲に知らしめてくれ。ここで問題を起こす、その意味を」
『畏まりました──“天淵黒亡”』
それはエクリの基となった固有種──『黒淵穴亡[エクリエンド]』、彼の個体を踏襲した能力……闇が、黒がやって来る。
0
お気に入りに追加
649
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
チートなガチャ運でVRMMO無双する!?~没入型MMO「ラスト・オンライン」
なかの
ファンタジー
「いきなり神の剣が出たんですけど」
僕はチートなガチャ運でVRMMO無双する!?
330万PV(web累計)突破!
超大手ゲームメーカーの超美麗グラフィックな大型RPGの最新作「ラスト・オンライン」
このゲームは、新技術を使った没入型MMO、いわゆるVRMMOだった。
僕は、バイト代をなんとか稼いで、ログインした先でチートのようなガチャ運で無双する!!
著/イラスト なかの
投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる