虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、偽装工作に走る

第二回プレオープン その01

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 タクマに依頼をした。
 休人の中でも、アイスプルの偽装都市に招いて問題の無い連中を呼ぶようにと。

 重要なのは、それがジンリとの関係性が無いあるいは薄い休人という点。
 手広く支配者としての威を広めている彼なので、その候補はかなり少ないらしい。

「そんなこんなで、まさかの三日と……それだけ探すのに苦労したんだな」

 一定人数に達しなければ、連絡しなくてよいとは伝えていた。
 だが三日とは……どうやら俺は、ジンリの影響力を舐めていたらしい。

「タクマの方でチェックしてくれているだろうし、ジンリの手の者かはあんまり気にしなくてもいいか……というか、絶対に漏らさないわけでもないだろうし、それを考慮したうえでやっていくしかないよな」

 ある休人が陥った話だ(byタクマ)。
 かなりやり込んだ果てに辿り着いた難関で悩み、[掲示板]に情報を出……そうとしたときに警告が出たらしい。

 報酬の減少やら友好度の低下だの、漏らした時点で発生するんだとか。
 その情報を基に検証班が動いたところ、ほぼすべての事柄にそれらはあったらしい。

 まあ、秘密にしてほしい内容をあっさり外部に漏らすヤツを、信用できるのかって話だな……要するに、EHOは情報の洩れを考慮したうえで世界観を構築しているわけだ。

 そうでもなければ、わざわざペナルティなど設ける必要が無い。
 逆に言えば、それ以上のメリットを提示されれば情報などあっさりと漏れ出ていく。

 例外はそういった職業──情報関係の職業に就いている者のみ。
 しっかりと管理し、正当な対価を支払い受け取るとペナルティが発生しないらしい。

「…………だからこそ、無理なんだよな。でもまあ、それを見越したうえで偽装大陸なんて用意したわけだし。せいぜい、箱庭の中で楽しんでもらいますか」

 スケールのデカいことほど、人は知り得たことのみがすべてだと錯覚する。
 誰が大陸を本来の世界を隠すためだけに作りました、と言って信じるのやら。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 イベント世界 闘技島

 招いた休人の数は100人ほど。
 多くて俺一人では統制が取れないのは面倒だが、まあその辺は対策済みだ。

 集合場所は全世界から来れるよう、いちおうイベント世界にしてある。
 結果、さまざまな世界から休人たちが集合していた。

「──はい、規定時間となりました。中には欠席された方が居りますが、お時間となりましたので移動を開始します」

 何人かは参加できなかったが、現実やこちら側で何か問題があったのだと切り捨てる。
 ……あるいは、誰かが親切心で排除してくれたのかもしれないな。

 前回同様、転移門は使わない。
 ただし『騎士王』が居ないため、今回は俺が代わりに転移を発動させる。

 やり方は簡単、『グランドマロット』を一時的に使うだけ。
 大規模転移を発動し特定座標を指定、それが勝手に書き換わりアイスプルへ転移する。

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