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DIY、偽装工作に走る

第一回プレオープン反省会 後篇

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 人族をアイスプルに招き入れる。
 その施策のために行われるプレオープン。
 圧倒的強者以外で生じるであろう魔物への嫌悪、それをどうにかしなければならない。

 そのため、まずは休人を呼ぶことにした。
 倫理観の方は微妙ではあるが、神を盲目的に信じて魔物を忌むべき対象として捉えることは無いからな。

「──人選についてはこっちに任せてもらいたい。というか、休人個人を知っているのは俺と『SEBAS』だけだからな」

 俺は休人だし、『SEBAS』は俺の代わりに[掲示板]に目を通してくれている。
 少なくとも、危険因子と呼べるような休人の侵入は拒めるだろう。

「一先ずは俺の知人に情報を流して、信頼できる連中を招くことにする。ソイツに関しては俺の昔からの知人だ、まあやらかすならやらかすでいつでも報復できるから安心しろ」

『……安心する要素が皆無なんだがな』

 そう、任せるのは我が友タクマ。
 情報屋として名を馳せる彼ならば、俺の無理難題にも対応してくれるだろう。

「風兎、魔物たちには前回の反省を活かして頑張るよう言っておいてくれ。次の連中は、まあ頭がおかしいヤツだから、あんまり目立たないように振る舞うことだ」

『よく言い聞かせておこう』

 前回はやけに食べ物系の屋台に、魔物たちが集まっていたからな。
 それ自体は問題無いかもしれないが、何らかの違和感を抱かせてはいけない。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 暗躍街 中立域

「──というわけで、任せたぞ」

「…………お前なぁ」

 移動途中に依頼内容は[メール]として送りつけてあるので、今回は本当に入ってすぐにこの一言を告げた。

 タクマはタブレットを手に、何やら頭を抱えている。
 いったい、何が問題なのだろうか……俺にはさっぱりだ。

「俺が求めるのは、問題を起こさない品行方正な休人だ。魔物を見ても即排除とか考えない、そしてその安全性を広めてくれるような連中を呼んでくれないか?」

「…………そして、ジンリが関わってない連中だろう? 最初の条件はまあ、いちおうできなくはないぞ。休人なんてたくさん居るからな、割合的には少ないがそれでも数的にはそれなりに居るんだ」

「──ジンリ、そんなに手が広いのか?」

「新人でも才能があれば見出し、そうじゃなくても一定の保障はされる。条件はただ簡単な依頼程度の頼みごとを聞くだけ……そりゃあ誰でも所属したくなるだろう」

 くっ、相変わらずの支配者っぷりで。
 俺はそんなジンリといろいろ揉めているので、可能な限りヤツに情報が行くことを避けねばならない。

 それでもどうにか、ジンリとは無縁の連中に声を掛けてもらうようタクマに伝えた。
 その結果を知ったのは、後日──二回目のプレオープン時だ。

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