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DIY、偽装工作に走る
第一回プレオープン その07
しおりを挟む俺、もとい『SEBAS』の都市建設に元ずく計画の一部に『騎士王』が気づいた。
だがバレるのは想定の上、気にせずやって来たコロッセオで『闘仙』と一試合する。
「これが──『抉間靠』だ」
「おおっ、これは……なるほど、【仙王】様への対策ですか」
「というよりは、対処だがな。王め、空間を障壁とする術を覚えるなど非常識だ」
「あはは……元より適性があるからこそ、あのような力が発現したわけですので」
新たに『闘仙』が創り上げた仙術(物理)は、空間を越えて衝撃を送るものだった。
どうやらこれを開発しなければならないような状況を、【仙王】が創り上げたらしい。
彼女が発現させた『プログレス:ゲートコネクター』は、空間に穴を開ける力を持つ。
今まではそこに物を入れたり、空間を捻じ曲げて攻撃の誘導などをしていた。
《確認が終了しました。新たに“リジェクトウォール”という能力を発現しています。効果は推察通り、空間の穴を閉じた状態で展開することで、空間の捻じれそのものを壁として機能させるというものです》
管理者権限を用いて、『SEBAS』が調べてくれたことで確証が取れた。
そんな能力に対抗するため、空間そのものに干渉する術が必要となった『闘仙』。
純粋な攻撃力で空間に干渉することもできなくはないだろうが、それだけの火力を準備するのも楽では無いだろうし、連発もできないはず──逆に【仙王】は再展開が容易だ。
「しばらくはこれを壊せず、要求を鵜呑みにするしかなかったが……ある日、つい我慢ならなくなってどうにかしようと足掻いたところ、これが完成した」
「…………えっと、何があったので?」
「こう言われたのだ──『これで李も、あたしの苦労が分かったよね? でもまだまだ、この程度じゃ苦しみのほんの片鱗だから!』とな……さすがにもう我慢など無理だ」
「…………お察しします」
仙人たちの王である【仙王】だが、才覚故に選ばれたまだ幼い少女である。
ゆえに義務はともかく仕事に関しては、大部分を『闘仙』が請け負っていた。
真面目に仕事をしつつ、『超越者』としての役割を果たし。
そのうえで言われた言葉がアレなので、もう耐えられなかったわけだ。
「まあ、今はこうしてこれを使えばどうにかできている。だが、いずれは次の策を講じてくるようになるだろうな……」
「私から言えることは……そうですね、ありませんね。どちらかが上回る限り、もう一方も強くなる。それを糧に、これからも続けるしかないのでは?」
「……鍛錬にはなるか」
実際、戦闘に使えばかなり便利だ。
空間の壁は何個でも展開できるし、それを越える攻撃は仕組み的に防御力無視だし。
問題はその使い手がごく僅かな点のみ。
その辺に関しては、仙郷の皆様でどうか考えてもらいたい。
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