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DIY、偽装工作に走る
離島計画 中篇
しおりを挟むルリの幸運()に怯えつつ、金の力で創造した新たな大陸。
何も無い海に突然生まれたそここそが、外部から人族を招く偽装大陸となるのだ。
「さて、今度は自然やら都市やらを考えないといけないわけだが……その前に、大前提の方を考えないとな──『SEBAS』」
《はい。こちらが──星脈、龍脈、霊脈の予定図です》
「複雑だな。色ごとに分けると……へぇ、陣になっているわけか」
空から眺める大地、そこに『SEBAS』から送られてきた大陸を巡るエネルギーの流れを照らし合わせてみる。
すると、それぞれがそれぞれを阻害しない形で綺麗に方陣を構築していた。
いわゆる魔法陣、それそのものが巨大な魔法として機能する代物である。
なお、星脈も龍脈も霊脈も広義の意味では同じ『地脈』なのだが……EHOの場合、やや異なっていた。
端的に言ってしまえば、その名称が示すのは干渉のし易さ。
種族で難易度が変わる場合もあるが、基本的には前のモノほど難易度が高い。
当然、難易度が高い分質に関しても違っており、効果もその分だけ高い仕様だ。
そのため、相応の術式を組み込むことができ、それを大陸規模で発動可能となる。
「普通なら、都市を基盤に作ってそこで生きる人々から微弱に魔力を吸い上げて……とかそういうことになるんだろうけど、ここまでゼロスタートだと、こういう規模のやり方もできるんだよな」
星脈を媒介に起動しているのは、内部における討伐システムの一部を書き換えることができる仕組み──『闘技領域』。
この内部では、魔物は死のうと自動的にドロップすることは無く、また固有種を殺そうと条件が満たされるまでは特典化といった自動処理が行われなくなる。
その機能を龍脈で調整、アイスプルの住民のみを対象とすることで人族がその仕組みについて疑問を抱かないようにする……まあ、勝手に星の理だと思い込むだろう。
最後に霊脈、こちらは当初から予定していた通り大陸外への移動を拒む転移阻害用。
まあ、周囲は完全に海なので陸地に行くには相応の魔力が必要なわけだけど。
なので強引に転移阻害を突破しようとも向かう先はほぼ海。
そこでは普通にドロップも特典化も起きるだろうが──別の対策はすでに準備済みだ。
「とりあえず、この場所自体はこれでいいとしよう。蘇生薬、アレの補充もドローンでいつでもできるようにして……よし、あとは街作りかな?」
幸いにして、新たな星とは自分たちが居る場所とは異なる場所という認識が強い。
それが嫌なら追い出す、という体でやりたい放題だ──要は設定作りだな。
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